掲載日:2023年6月23日
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マダニを介した感染症
ダニは病気を持っているものもおり、咬まれないことが重要です。
マダニとは
マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3mmから4mm)のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息しており、市街地でも見られます。日本全国に分布しています。
食品等に発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとは種類が異なります。
フタトゲチマダニ(写真:東京都健康安全研究センター)
マダニに咬まれないようにするには
マダニに咬まれないようにすることが重要です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意しましょう。
草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、肌の露出を少なくすることが大事です。具体的には、以下のことが挙げられます。
- 長袖・長ズボンを着用する
- 帽子・手袋・長靴を着用する(服や靴は、明るい色ですべりやすい素材を選ぶと、ダニが付着しにくく、付着しても見つけやすいです)
- 首はタオルを巻くかハイネックを着用する
- 袖口は手袋に入れる
- 上着の裾はズボンに入れる
- ズボンの裾は長靴に入れる
- ダニ類に効果のある虫よけスプレー(DEETを含む)を補助的に使用する(製品や発汗等の影響で持続効果が異なります)
- タオルやぬいだ上着などは直接地面に置かない
- 地面に直接座ったり、寝転んだりせず敷物やイスを使う
活動した後は、ダニに咬まれていないか確認しましょう。(ダニに咬まれても、痛みやかゆみはあまりなく、気づかないことが多いようです。)
マダニに咬まれていることに気づいたら
吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりするおそれがあります。必ず医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい。
マダニに咬まれることで感染する病気
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
病原体
SFTSウイルス
感染経路
ウイルスを保有しているフタトゲチマダニ等のマダニに直接咬まれること、もしくは、マダニに咬まれて感染した動物(野生、屋外で飼育されている動物)の体液などにより感染します。感染患者の血液、体液との接触感染も報告されています。
マダニは野外に生息する大型のダニで、屋内に生息するダニ(コナダニ類・チリダニ類など)はこの病気とは関係ありません。
潜伏期間
6日から2週間程度
症状
主な症状は発熱と消化器症状(おう吐、下痢など)が中心で、倦怠感、リンパ節のはれ、出血症状なども見られます。重症化し、死亡することもあります。
日本紅斑熱
病原体
日本紅斑熱リケッチア
感染経路
リケッチアを保有したマダニに咬まれることによって感染します。ヒトからヒトへうつることはありません。
潜伏期間
2日から8日
症状
頭痛、全身倦怠感、高熱などを伴って発症します。紅色の発疹(斑丘疹)が手首足首に出現し体に向かって広がるのが特徴です。
ダニ媒介脳炎
病原体
フラビウイルス科フラビウイルス属ダニ媒介脳炎ウイルス
感染経路
主に、ウイルスを保有したマダニに咬まれることによって感染します。感染したヤギやヒツジの原乳を飲んでも感染することもあります。
潜伏期間
7日から14日
症状
中央ヨーロッパ型
発熱、筋肉痛などのインフルエンザ様症状が2日から4日間続きます。その後数日経って痙攣、めまい、知覚異常などの症状がでることがあります。重症化し、死亡することもあります。回復後も頭痛、集中力の低下、無気力、うつ状態など後遺症が残ることがあります。
ロシア春夏脳炎
突然に高度の頭痛、発熱、悪心、異常なまぶしさを感じるなどの症状が発生し、その後順調に回復することもありますが、痙攣、精神症状、首や腕が弛緩して動かなくなるなどの症状がでることがあります。重症化し、死亡することもあります。回復後も頭痛、集中力の低下、無気力、うつ状態など後遺症が残ることがあります。
つつが虫病
病原体
つつが虫病リケッチア
感染経路
リケッチアを保有したつつが虫(ダニの一種)の幼虫に咬まれることによって感染します。ヒトからヒトへうつることはありません。
潜伏期間
5日から14日
症状
全身倦怠感、食欲不振とともに頭痛、悪寒、発熱などの症状が現れます。数日後より、体幹部を中心に発しんが現れ、リンパ節の腫れを伴うこともあります。
ライム病
病原体
スピロヘータ科のライム病ボレリア
感染経路
ライム病ボレリアを保有したマダニに咬まれることによって感染します。ヒトからヒトへうつることはありません。
潜伏期間
3日から32日
症状
感染初期には、多くの場合、遊走性紅斑と呼ばれる特徴的な症状がでます。これは、マダニに咬まれた部位に赤色の丘疹が生じ環状に紅斑が広がっていくというものです。また、その際に、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、全身倦怠感などの症状を伴うことがあります。
その後、病原体が全身に拡がるのに伴い、重度の頭痛や首筋の硬直、咬まれた部位以外の発疹、関節痛や関節の腫れ、筋肉痛、動悸や不整脈、めまいや息切れ、神経痛、手足のしびれや痛み、脳や脊髄の炎症、記憶障害など多彩な症状が現れます。
感染から数か月ないし数年を経て重症化すると、皮膚症状や関節炎、脊髄脳炎などが悪化し死亡することがあります。
また、治療が遅れると皮膚や関節などに後遺症が残ることがあります。
感染症法との関係
上記の病気は、四類感染症として定められ、診断した医師は直ちに最寄の保健所へ届け出ることが義務付けられています。
届出基準や発生届の様式は、東京都感染症情報センターのホームページをご確認ください。
東京都感染症情報センター(外部サイトへリンク)
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お問い合わせ先
中央区保健所健康推進課感染症対策係
〒104-0044 明石町12-1
電話:03-3541-5988
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