歌舞伎衣裳製作修理・歌舞伎大道具(背景画)製作

掲載日:2023年7月20日

ページID:13999

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歌舞伎衣装・歌舞伎大道具(背景画)の画像

歌舞伎衣裳製作修理

種別

国選定保存技術

所在地

新富二丁目2番8号
松竹衣裳株式会社内

広報紙コラム「区内の文化財」より(令和5年3月21日号)

昭和25年(1950)に「文化財保護法」が制定されて以降、国の文化財保護制度は長らく「指定」のみの制度でした。しかし、昭和50年(1975)に新たな保護制度(「伝統的建造物群保存地区」や「選定保存技術」などの「選定」制度)が創設され、平成8年(1996)には新しく「登録」制度も創設されました。その後も同保護法の改正が実施され、保存・保護の対象や制度の拡充などを図りながら今日に至っています。
昭和50年に創設された制度では「文化財の保存技術」(文化財の保存に必要な材料や道具の製作・修理・修復に関する伝統的な技術・技能)の種類を設け、保存の措置を講ずる必要があるものを「選定保存技術」に「選定」しています。なお、技を保持する個人(保持者)や技の保存事業を行う団体(保存団体)は、それぞれ「認定」されています。
江戸時代から古典演劇「歌舞伎」と由縁のある中央区には、平成14年(2002)に認定された「選定保存技術団体(無形文化財等関係選定保存技術保存団体)」が2つあります。1つは歌舞伎衣裳製作修理技術の保存を目的に設立された認定団体「歌舞伎衣裳製作修理技術保存会」です。
数百もの演目がある歌舞伎には、その数に比例するように多種多様な役柄と衣裳があります。特に、歌舞伎の衣裳の場合は、役柄に応じて形・色・文様などが決まっていることもあり、これらが歌舞伎ならではの独特の美しさを形成する重要な要素となっています。
同保存会は、衣裳の製作修理に必要な技術者(衣裳用生地の製作、衣裳の仕立て、公演期間中の着付け、衣裳のメンテナンス〈アイロン掛け・汚れ落とし・袖の綴(と)じ直し作業〉など)を中心に構成されており、歌舞伎の舞台を支えています。当該団体は、既存衣裳の修理から新調まで、演目・配役・俳優に合わせて新たに再現する高度な技術を保持しています。

歌舞伎大道具(背景画)製作

種別

国選定保存技術

所在地

新富二丁目8番1号
金井大道具株式会社内

広報紙コラム「区内の文化財」より(令和5年3月21日号)

歌舞伎の舞台を支える「選定保存技術団体」のうち、区内に拠点を置くもう一つの認定団体は、歌舞伎大道具(背景画)製作技術の保存を目的に設立された「歌舞伎大道具(背景画)製作技術保存会」です。
歌舞伎の大道具は、上演される演目の情景(真正面から見た舞台)を場面ごとに縮尺して描いた「道具帳」(絵筆で描いた彩色の絵)を基に製作されます。舞台の設計図ともいえる道具帳に基づきながら、出演する俳優と相談の上で実際の大道具の寸法や文様などを決めて描いていきます。
道具帳に基づいて製作される大道具には、建物や風景などを平面的に描いた背景幕の「書割(かきわり)」(枠組みに板・紙・布などを貼って描いた背景)、岩や樹木などを描いて切り出した「張物(はりもの)」、灯籠や切り株などを立体的に作った「丸物(まるもの)」など実に多種多様です。特に、写実よりも絵になる美しさを追求する歌舞伎大道具(背景画)においては、芝居の内容や演出を十分に把握した絵師が伝統的な形式で描き、歌舞伎独特の色使いを用いながら技術者(塗り方など)が色を塗ることで、美しい背景が象徴的に浮かび上がってきます。
舞台上の芸術作品といえる歌舞伎大道具(背景画)を製作する当該団体は、観客の期待感を高め、役者の魅力を最大限に引き出す高度な技術を保持しています。
中央区教育委員会
学芸員 増山一成

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お問い合わせ先

教育委員会事務局図書文化財課郷土資料館

〒104-0041 新富一丁目13番14号

電話:03-3551-2167

ファクス:03-3551-2712

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