掲載日:2023年1月18日

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白昼の「銀座空襲」の恐怖

1月27日は土曜日、東京には厚い雲がたれこめて、底冷えのする、いやな日だったそうです。午後2時過ぎ、空襲警報とほぼ同時に、有楽町、数寄屋橋、銀座などに爆弾と焼夷弾が落ち、土曜の午後の繁華街を行く人、オフィスの人たちを恐怖のどん底におとしいれました。有楽町では、すぐに乗客を電車から降ろして、退避壕に誘導しましたが、中央口出札所と倉庫に爆弾が、数ヶ所に焼夷弾が落下しました。中央口には切符を買おうとする人々が行列しており、87人が死亡、人間の首が爆風で100mも飛ぶような惨状でした。
朝日新聞社裏手や横の掘割に爆弾が落下し、新聞社のガラスは全部割れ、路上に死体が散乱、泰明国民学校には爆弾が落ち、4人の女性教師が殉職されました。負傷者は読売診療所などで応急処置を受けた後、聖路加国際病院等に運ばれました。
銀座四丁目交差点「鳩居堂」前の地下鉄口と「教文館」横がほとんど同時に爆撃され、教文館が火を吹き、服部時計店に至るまでの一帯をなめ尽くしました。夕方、薄暗くなるころ、最後の鳩居堂が焼け落ちました。店にあった白檀、沈香も炎とともに燃え、夕闇の銀座に、煙に混じって、時ならぬ香気が漂いました。

警視庁屋上から見た銀座空襲 撮影:石川光陽 画像
警視庁屋上から見た銀座空襲 撮影:石川光陽

朝日新聞社前(有楽町)から数寄屋橋を見る 撮影:石川光陽 画像
朝日新聞社前(有楽町)から数寄屋橋を見る 撮影:石川光陽

地下鉄銀座駅出入口の埋没者を救助する警視庁警備隊 撮影:石川光陽 画像
地下鉄銀座駅出入口の埋没者を救助する警視庁警備隊 撮影:石川光陽

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