掲載日:2023年2月14日

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令和5年2月7日「令和5年度予算案等発表記者会見」

令和5年2月7日、令和5年度予算案等の発表記者会見が行われました。

中央区長の山本泰人でございます。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日は、新たに策定いたしました「中央区基本計画2023」と、新年度予算案について皆様にご説明させていただきたいと存じます。

まず、基本計画についてです。

本区では2017年に中央区基本構想を策定し、その翌年に現在の中央区基本計画2018をとりまとめ、これに基づき区政運営を行ってきたところでございます。今回、この基本計画2018を改定する形で、新たに中央区基本計画2023を策定し、10年後の将来に向けて各種取組を加速させていくことといたしました。

この基本計画は、基本構想を実現するための長期総合計画であり、計画期間は令和5年度から令和14年度までの10年間であります。基本構想に掲げた将来像「輝く未来へ橋をかける―人が集まる粋なまち」の実現に向けた取組として、9つの基本政策、24の施策、さらに、その施策にぶら下がる61の施策の柱を整理しました。この9つの基本政策は、福祉、環境、まちづくり、産業、教育などそれぞれの分野を3つのまちづくりの視点に分類し、区の目指す方向性や取組を打ち出しております。

今回の基本計画の特徴として、大きく3つございます。1つは区を取り巻く環境変化への対応、2つ目はリーディングプロジェクトの設定、3つ目として、10年後の区の姿を具体的な取組とともにイメージでまとめております。それぞれご紹介いたします。

まず、社会状況等の変化です。世界情勢、国内の状況、我々を取り巻く環境は日々目まぐるしく変化しております。本区についてみても、この1月に過去最高となる人口17万4074人を記録し、今もなお人口が増え続けております。最新の人口推計では、令和9年中には20万人を突破する見込みであり、行政需要も今後ますます増大してまいります。一方で、コロナによる影響、とりわけ地域経済やコミュニティへの影響も大きい。また、気候変動やデジタル化などの世界的な潮流にも対応していかなければなりません。ハード面では、築地や日本橋、晴海など区内各地で進む都市基盤整備がそれぞれ本格化し、将来のまちの輪郭が見え始めています。まさに、量も、質も、形も変わる。中央区は今、時代の大きな転換期に立っているわけです。こうした変化をしっかりと受け止め、それに合わせてベストでサスティナブルな政策を打ち出し、区民サービスを向上させていく。それが今回の計画改定の趣旨でございます。

次に、今回の基本計画では、計画全体を先導する、リーディングプロジェクトを設定いたしました。先ほど申し上げた、ここ数年の社会状況等の変化を踏まえ、未来の中央区へ向けて、政策横断的に取り組み、区政を前進させていくための取組として、4つのリーディングプロジェクトを整理し、これを「中央区セントラルパーク構想」として展開してまいります。リーディングプロジェクトは、脱炭素、水とみどり、コミュニティ、経済・文化の4つで、それぞれ達成度の目安となる指標、KPIを設定しております。これらを強力に推し進めていくことで、まちも人も“つながる”ことのできる未来を実現してまいります。セントラルパーク、というのは、中央区全体を一つのパーク、つまりは公園として見立てております。立地的にも歴史・文化的にも、本区は東京の中心、セントラルにあるわけでございます。この中心の魅力をもっと高めていく。区内全域が緑にあふれ、水に癒される。自然と人が集まり、憩い、交流する。そこに来ると誰もが明日へのエネルギーをもらえる。そんな場所に中央区をしていきたい、そういった意味を込めております。

3番目の特徴として、今回、10年後の区の姿を3つの視点に分けてイメージに落とし込み、それに向けた取組を打ち出しております。

まず、「視点1一人一人の生き方が大切にされた安心できるまち」ですが、まちの基本は、何より「人」であります。子供も、高齢者も、障害のある方も、また、性別にかかわらず、すべての人が尊重され大切にされるまち、そんな10年後のまちの姿を描きました。具体的な打ち出しとして、例えば、放課後の居場所の充実に向け、区立小学校への学童クラブ設置を進めてまいります。

続いて「視点2快適で安全な生活を送るための都市環境が整備されたまち」については、リーディングプロジェクトにも選定している区内建物のZEB化に向けた制度改正や、舟運ルートの開設、みどり豊かで回遊性の高い歩行者ネットワークの整備などを打ち出すとともに、ハード面から、目に見える形でどう区の姿が変わるかを示しています。

「視点3輝く個性とにぎわいが躍動を生み出すまち」では、アウトリーチ型の観光プロモーションを積極的に行っていくことなどを打ち出しております。経済や文化の視点から、歴史や伝統にさらに磨きをかけるとともに、産業が活性化し、コミュニティや地域の活力があふれている、そんな未来を思い描きました。

これからも、誰もが住み続けたい、働きたい、訪れたいと思えるまちであり続けるために、今回策定した基本計画を着実に実行してまいります。

続きまして、新年度予算案についてであります。

ただいまご説明いたしました「中央区基本計画2023」のスタートとなる新年度予算は、「新たなステージへ!」と題し、新規28、充実21事業を盛り込むなど、各種施策の充実・強化を図りました。この結果、一般会計予算は前年度と比べ235億7500万円余、18.9%増となる1,483億9,376万4千円となりました。これは、当初予算として過去最大規模となるものです。それでは、新年度予算の主な取組を4つの分野に分けご紹介いたします。

1点目でございますが「安心して子どもを産み育てるため」の施策として、本区は5年連続して合計特殊出生率が23区で1番高く、言い換えれば、子育て世代が多くいらっしゃる地域であります。そうした方々を一層強力に支援するため、様々な取組を推進いたします。

まず、「妊娠期の支援」として、保険適用外となる特定不妊治療にかかる費用を新たに助成するほか、多胎児を妊娠されている方の健診費用を最大19回まで助成することといたします。「子どもの健康への支援」としては、3歳児健診における視力検査の充実のほか、子ども医療費助成については、所得制限を設けず、対象を18歳まで拡大することといたします。

次に「仕事との両立支援」についてです。昨年4月に保育所待機児童を解消いたしましたが、新年度においても400人を超える定員拡大を図り、保育ニーズに対応してまいります。また、民間の学童クラブを最大3クラブ新たに誘致するとともに、小学校内での放課後子ども教室「プレディ」と学童クラブの一体的運用に向けた準備を進めるなど、子どもの居場所づくりの強化を図ってまいります。

「子育ての家計負担軽減」につきましては、学校給食費と保育所等の副食費のいずれも令和5年4月分から無償化することとします。この無償化により、子ども1人あたり年間5万円程度の軽減につながります。

さらに、「妊娠期から出産後まで一貫した支援」に向けて、継続した面談機会を設ける「伴走型相談支援」と、Webカタログギフトの支給による「経済的支援」を一体的に行う「出産・子育て応援事業」を実施します。あわせて、2歳を迎えるお子さんのいるご家庭を対象とした「バースデーサポート」事業も新たに実施いたします。

2点目の分野は「地域の活気とにぎわい向上・創出」についてです。3年にも及ぶコロナ禍の影響もあり、地域におけるコミュニティが薄れつつある中、本区の元気の源である「活気」「にぎわい」を高めるための取組を進めてまいります。まず、「地域の交流・にぎわい促進」では、令和6年に新たにまちが形成される晴海地区に、あらゆる世代が集え、にぎわいと交流、そして地域コミュニティの新たな拠点となる「晴海地域交流センター」を本年10月に開設いたします。また、町会・自治会が、PTAや企業といった団体等と協力・連携した取組を促進するため、既存のイベント助成制度に「地域連携加算」として10万円上乗せすることといたします。

日本橋川周辺では、首都高の地下化工事に加え複数の再開発事業が進められており、これらの工事は15年から20年程度の長期にわたることが想定されます。そのため、こうした期間においても、まちのにぎわいを絶やさないための新たな補助制度を設けてまいります。

このほかにも、国内外からの観光客や区民・在勤者など、それぞれのターゲットに応じたシティプロモーションの展開を図るべく、その仕組みづくりを行ってまいります。

社会経済活動の正常化が進みつつあるものの、物価高騰などにより、回復への足取りは、まだまだ不透明な状況であります。そのため「地域経済の下支え」としまして、令和2年度以降、それまでの3倍の規模に拡大した「区内共通買物・食事券」を、新年度も同じ18億円分発行するとともに、中小企業の負担軽減と資金繰りを支援するため、令和4年度に実施した「感染症対策融資」の借り換え制度を令和5年度末まで1年間延長するなどの取組を進めてまいります。活気・にぎわいの創出に向けまして、これまでの施策の充実に加え、まちの新たな動きや経済活動を積極的に支援してまいります。

3点目の分野は「脱炭素社会の実現」に向けた取組であります。

はじめに、「脱炭素社会への転換」としましては、区内で建設される建物のZEB化を促進するための新たな制度構築に向けて、新年度では基礎調査を実施するほか、若い世代が脱炭素の取組を自ら考え・実践するチームを立ち上げるなど、一人一人ができる取組を着実に進めてまいります。

「再生可能エネルギーの活用・省エネの推進」としましては、区の未利用地を活用した太陽光発電所の整備を、23区で初となる「オフサイトPPA」の手法により行ってまいります。なお、ここで発電した電力は、本庁舎など区施設に供給し活用してまいります。

また、区民・事業者が意欲的かつ継続的に省エネ活動に取り組めるよう、省エネ活動の見える化、取組に応じたポイント付与や特典との交換などができる仕組みにリニューアルした「中央エコアクト」を、本年4月から運用開始してまいります。

「森林の保全と普及促進」では、2年目を迎える「環境学習事業」として、子ども達が自然体験を通して環境問題を学ぶ機会を提供します。また、平成18年度以降実施している「檜原村との連携による森林保全活動」を引き続き行うとともに、「本区を含む複数の特別区」と「多摩地域の市町村」、「東京都」との連携による新たな森林保全活動の仕組みをスタートすることといたします。

4点目の分野は「魅力を高める都市基盤とネットワーク」です。

まず、「親しめる水辺環境」に向けては、都内随一の水辺空間を有する本区にふさわしい舟運ルートの開設に向けて、新年度において基礎調査を実施いたします。この結果を踏まえ、令和6年度以降、詳細調査や実証実験などを経て、その実現を目指してまいります。また、親水性の高い水辺空間を区民の憩える場として活用できるよう、晴海5丁目の朝潮運河沿いを整備いたします。

「交通・歩行者ネットワークの整備」では、昨年11月に公表された地下鉄新線の事業計画案を踏まえ、地下鉄の駅とその周辺のまちづくりとが連携のとれた形となるよう、区の考えを取りまとめてまいります。

次に「築地・東銀座における魅力あるまちづくり」についてです。この地域では、築地市場跡地開発や地下鉄新線、都市高速道路晴海線の整備など、複数の開発計画が進行しています。こうした開発を機に、魅力ある都市空間の創出、更なる回遊性の向上につなげていくため、広域の歩行者ネットワークづくりに向けた検討を行うほか、築地場外市場における来街者駐車場や荷捌き場の確保などについて検討を進め、令和6年3月に予定される築地市場跡地開発事業者の決定後速やかに協議・調整を図ってまいります。

「首都高速道路上部空間の整備」については、区役所の前を通る首都高築地川区間の上部に蓋をかけ、KK線上に計画されている「トウキョウ・スカイ・コリドー」との接続により「みどりのネットワーク」化を図る「築地川アメニティ整備構想」の実現に向け、設計などを行ってまいります。

さらには、東京駅前の車道の一部にデッキやベンチを設置し、憩える空間として活用する社会実験を行い、今後の常設化に向け取り組んでまいります。歴史と伝統ある本区のまちを、豊かな水辺、緑あふれる道路空間の整備により、見て、感じて、歩いて楽しめる「ウォーカブルなまち」としてまいります。

予算のポイントは以上となりますが、冒頭申し上げましたとおり、本区は令和9年に20万都市となる見込みです。全国的に少子高齢化が進み、コロナにより生活スタイル、働き方が大きく変容している中にあっても、若い世代を中心に力強いペースで人口増加が続いております。都市再生に向けた動きも活発で、将来の区を形づくる都市基盤整備がそれぞれ具体的な段階へと駒を進めております。これらは、区民の暮らしを豊かにするだけでなく、世界中から多くの人々を呼び込み、にぎわいを創出することで、地域のみならず、日本全体がさらに発展していくための起爆剤ともなるものです。

本区はこれから、未だかつて経験したことのない、新しいステージに立つことになります。こうした状況の中、区民サービスを更に充実させ、世界に誇れる、誰もが住み続けたいと思えるまちを実現していくためには、中央区にしかできない、中央区だからこそできる政策を展開していかなければなりません。今回、基本計画を策定するにあたり、区民の声に耳を傾け、職員ともよく議論し、私なりに区の将来を真剣に考えてまいりました。この計画は区と区民との約束です。この将来の区の姿を何としても実現したい。今回描いた未来に向けて政策をしっかりと実行していく。私自身、その先頭に立ち、引き続き区長としての職責を果たしてまいりたい。そのように考えている次第でございます。

本区が推進する諸施策につきまして一層のご理解をいただき、中央区のますますの発展に特段のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

 

お問い合わせ先

予算案について
財政課財政担当
電話:03-3546-5255

中央区基本計画2023について
政策企画課政策企画担当
電話:03-3546-5212

このページについて
広報課広報係
電話:03-3546-5216

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