掲載日:2026年3月15日

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令和8年第一回中央区議会定例会 区長所信表明

本日、ここに令和8年第一回中央区議会定例会の開会に当たり、私の所信の一端を申し述べ、区議会ならびに区民皆さま方のご理解とご協力をお願い申し上げます。

昭和22年、日本橋区と京橋区の統合により中央区は誕生しました。令和8年度、本区は区制施行80周年を迎えます。

江戸開府以来、本区は文化、商業、情報の集積地であり続け、東京の発展を支える重要な役割を担ってまいりました。戦後の焦土からの復興、高度経済成長、バブル経済とその崩壊、そして人口回復への転換に至るまで、時代の大きな変化の中にあっても、常に都心区としての使命を果たし続けてきたところであります。日本全体が人口減少社会に直面する中にあって、本区が20万都市を目前に控えるまでに発展を遂げてきたのは、日本全体の課題を自らの課題と受け止め、いち早く挑戦し続けてきた結果であろうと受け止めております。

今、世界を見渡せば、国際情勢はかつてない不安定な状況にあり、長年築き上げてきた国際協調の理念そのものが大きく揺らいでいます。こうした中、私たちは異なる背景を持つ人々が共に暮らし、互いを尊重し合う姿を、このまちの日常の中で積み重ねていくことが大切と考えております。首都東京の中心に位置する自治体として、銀座、築地、日本橋、月島など、多様な人々が共に生きるあるがままのまちの姿を通じて平和を国内外に発信し続けることは、国際社会との信頼を育むうえで重要な意義を持つものと考えております。戦後80年を経て、改めて「中央区平和都市宣言」の理念を胸に刻み、平和の尊さを次世代へ確かに語り継ぐ取組を、着実に進めてまいります。

令和の時代に入り、感染症の世界的流行や大規模災害、国際情勢の不安定化など、私たちは多くの試練に直面してまいりました。とりわけ、近年の猛暑や集中豪雨などの気候変動は地球規模の課題であり、多くの企業が集積し活発な経済活動が行われる日本の心臓部である本区にとって、避けては通れない課題であります。本区が率先して環境負荷の低減に取り組み、経済活動と環境保全の両立を実証することが、日本全体の脱炭素化に寄与し、その取組は国際社会において日本の持続可能な姿を示す一助にもつながるものと考えております。「ゼロカーボンシティ中央区宣言」の下、豊かな地球環境を次世代へ引き継ぐため、区民、事業者と一丸となり、脱炭素社会の構築を力強く進めてまいります。

日々の暮らしに目を転じると、エネルギーや原材料価格の高騰、円安を背景とした物価上昇が長期化しており、区民生活や地域経済に重くのしかかっています。物価高に直面する区民や事業者を支えるとともに、区民の暮らしとまちのにぎわいを両立させるため、物価高対策に全力で取り組んでまいります。

本区の定住人口は、晴海フラッグへの入居が進んだことなどを背景に、昨年19万人に達しました。さらに、合計特殊出生率は8年連続で23区トップを維持しており、まちにあふれる子どもたちの笑顔は、本区が将来に向けた確かな成長力と可能性を備えていることを映しています。これは、職住近接という都心居住の利便性に加え、子育て・教育環境の充実、落ち着いて過ごせる住環境の整備など、多様な都心機能の集積と生活都市としての魅力を両立させてきた取組の成果であり、東京の持続的な発展を内側から支える力でもあります。

一方で、こうした人口増加は、保育・教育環境のさらなる整備、福祉施策の充実、防災力の強化など、行政が果たすべき役割の重要性を一層高めています。旧来のコミュニティと新たな住民が交流を深め、共にまちを育んでいく環境づくりを進めるとともに、日本橋における首都高速道路地下化をはじめとした、百年先の未来を見据えた都市基盤整備を、歴史と文化を生かしながら着実に推し進めてまいります。

区制施行80周年を迎える令和8年度は、本区の歩んできた歴史と、受け継がれた価値を再確認し、誰もが住み続けたい、働きたい、訪れたいと心から思える魅力あふれるまちづくりに向け、基本構想に掲げる将来像「輝く未来へ橋をかける―人が集まる粋なまち」の実現に全力で取り組んでまいります。

令和8年度当初予算

これらの状況を踏まえた新年度予算は「80年の歩みを力に 未来を創る」と題し、区制施行80周年に向けた施策に加え、物価高騰など喫緊の課題や、中長期的な課題への対応についても重点を置き編成いたしました。

歳入面においては、所得環境の改善や人口増加を背景に、区財政の根幹である特別区民税に一定の伸びが見込まれるものの、ふるさと納税による税の流出が引き続き拡大しているほか、物価高騰の長期化による企業収益の圧迫など景気の下振れリスクもあり、財政環境は今後も予断を許さない状況であります。

そのため予算編成に当たっては、施策全般にわたり取捨選択を行うとともに、これまで蓄えてきた基金の活用や将来負担を見据えつつ特別区債を発行するなどの財源対策を講じたところであります。

新年度予算では「区制施行80周年」の機会を捉え各種事業を展開するほか、本区の将来を担う「子どもの健やかな成長と地域社会で活躍できる環境づくり」、「防災対策」、「脱炭素のさらなる推進」など各施策の強化を図った結果、新規49事業、充実39事業を含む一般会計予算は、前年度を22.1パーセント上回り、過去最大となる1,986億4,900万円余を計上いたしました。

主な施策について、基本構想に掲げる三つの「施策のみちすじ」に沿って申し上げます。

一人一人の生き方が大切にされた安心できるまち

第一は「一人一人の生き方が大切にされた安心できるまちを目指して」であります。

はじめに、子育て支援策についてです。

本区では、若い世代を中心に人口増加が続く中、共働き世帯の増加や核家族化の進展、ライフスタイルの多様化など、家庭を取り巻く環境が大きく変化しており、子育て家庭を社会全体で支える仕組みや環境整備の一層の充実が必要となっています。こうした環境づくりは、子どもたちの健やかな成長と安心して子育てできるまちづくりを進めるうえで、重要な課題であります。

そこで、保護者の就労要件を問わず、時間単位で定期的に利用できる「こども誰でも通園制度」を開始し、子育て家庭の多様な働き方やライフスタイルに寄り添いながら、全ての子どもの育ちを支える取組を進めてまいります。また、区立保育所等の保育室やホールに「見守りカメラ」を設置するとともに、私立保育所等に対しても設置費用を助成し、子どもたちが安心して過ごせる保育環境を確保してまいります。さらに、保育所等から小学校への進学に伴い、登校時間前の児童が居場所を必要とする、「朝の小一の壁」への対応として、小学校内のプレディルーム等を活用した「朝の子どもの居場所づくり事業」を新たに開始するほか、城東・常盤・阪本小学校への「プレディ」新設や、「プレディプラス」の実施校拡充による学童クラブ定員の拡大等を図ることで、児童が安全に安心して過ごせる環境を整えてまいります。

母子保健分野においては、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を強化いたします。性別を問わず、将来のライフデザインを考えた健康管理への支援として、「プレコンセプションケア事業」を実施するとともに、出産後間もない産婦への健康診査費用を助成することで、産後うつや虐待の予防につなげてまいります。さらに、生後1カ月児への健康診査費用の助成や、3歳児に対する発達検査を新たに実施し、乳児の健康状況や幼児の発達特性を早期に把握することにより、個々の状況に応じたきめ細かな支援につなげてまいります。また、5歳児健康診査については、令和9年度の開始に向け、本区の実情に即した実施方法等の検討を進めてまいります。

次に、障害者施策についてであります。

医療的ケア児などを養育する家族の負担を軽減するため、在宅レスパイト事業の利用時間の上限を拡大するとともに、重症心身障害児を対象とした放課後等デイサービス事業所の新規開設を支援し、受け入れ体制の拡充を図ってまいります。

次に、地域共生社会の実現についてであります。

社会構造の変化に伴い、ひきこもりや8050問題など、地域の中で孤立し、支援を必要としている方々への対応が急務となっています。ひきこもり支援については、当事者や家族の悩みを受け止め、社会参加を促進するため、専門相談に加え、当事者同士や家族が交流できる場の提供など、一人一人の心に寄り添った支援体制を構築してまいります。また、複雑化・複合化する福祉課題に対応するため、身近な地域で相談ができる「ふくしの総合相談窓口」を、京橋、月島地域に続き、新たに日本橋地域にも開設し、区内全域をカバーする包括的な相談支援体制を確立してまいります。

さらに、多様な主体が活躍できる社会の実現に向け、女性の再就職支援を強化します。結婚や出産、育児、介護等により離職した女性を対象に、デジタルスキル習得講座や区内企業等とのマッチングイベントを開催し、円滑な社会復帰を支援してまいります。

区民の健康づくりについては、妊婦を対象とした「RSウイルス母子免疫ワクチン」を新たに定期予防接種として導入し、感染症の発生・まん延の予防を図ります。併せて、従来のワクチンより発病・重症化防止効果が高い「高用量インフルエンザワクチン」を75歳以上の定期予防接種に加え、高齢者の健康を守ってまいります。

また、高齢期における健康課題への対応として、令和7年度より実施している「もの忘れ予防検診」について、内容の充実を図り、早期の気づきから必要な医療・介護サービスにつなげる取組を進めるとともに、認知症予防に効果的とされる聴力検査の実施につきましても検討を深めてまいります。

快適で安全な生活を送るための都市環境が整備されたまち

第二は「快適で安全な生活を送るための都市環境が整備されたまちを目指して」であります。

はじめに、災害に強いまちづくりについてです。

過去の震災等からの教訓を踏まえ、その経験を風化させることなく次世代へ継承するとともに、これまでの取組を不断に見直し、いつ起こるかわからない大規模災害に対し、実効性の高い防災対策をより一層推進してまいります。

昨年開始した防災士資格取得費用助成事業を拡充し、新たに学生や定年退職を控えたミドルシニア世代への支援を開始します。幅広い世代に対して「防災士」資格取得を後押しするとともに、女性防災リーダー養成事業を通じて地域の防災活動への女性の参画を促し、地域防災力のさらなる強化を図ってまいります。また、各種イベントへの子ども向け防災ブースの設置を通じて、子どもたちが楽しみながら防災に触れる機会を提供することで、成長段階に応じた防災意識の高揚と、将来の地域防災の担い手の育成に取り組んでまいります。さらに、「中央区耐震改修促進計画」の改定に併せて、耐震補強工事等の助成限度額の引き上げや、木造住宅・木造建築物における耐震助成の対象範囲を拡充し、建築物の耐震化を促進することで、安全で安心な住まいと災害に強いまちづくりを推進してまいります。

次に、住宅確保支援への取組として、「居住サポート住宅」の運営事業者等を募集いたします。高齢者や障害者など住宅確保に配慮を要する皆さまが安心して住み続けられる環境を整備するため、事業運営費を助成し、福祉サービスとも連携した住宅の供給を促進してまいります。

次に、環境負荷低減に向けた取組についてであります。

令和6年度に檜原村と新たに協定を締結し、拡大した「中央区の森」南郷地区において森林整備を推進し、今後、間伐した木材を区施設等で利活用していくことで、行政区域を越えた広域的な地球温暖化防止に寄与してまいります。また、昨年新しいメンバーを迎え2期目に入った「チーム・カーボン・ゼロ」は、10代・20代の若い世代が、これまでの活動で培った知見を生かし、脱炭素化に向けた取組を自ら考え実践・発信することで、社会全体の機運を醸成していきます。さらに、区立学校・幼稚園の標準服等リユース事業については、対象校・園を拡大し、環境意識の啓発と再使用のさらなる促進を図るなど、カーボンニュートラルの実現と資源循環の推進に向け、着実に環境施策に取り組んでまいります。

身近で環境にやさしい交通手段として自転車の利用ニーズが高まる一方で、交通事故の増加やマナー違反が大きな課題となっています。そこで、区内小学校の校庭を活用して親子で自転車の乗り方や交通ルールを学べる「子ども自転車教室」を新たに明石小学校を加えて開催するほか、放置自転車対策として、銀座地区において巡回体制の強化等を図るなど、安全で快適な自転車利用と歩行環境の両立に向けた取組を推進してまいります。さらに、本年4月より、自転車の交通違反に「交通反則通告制度(青切符)」が導入されます。警察等との連携をより一層密にしながら、交通ルールの周知と安全意識の向上に努めてまいります。

水とみどりあふれる豊かなまちづくりについては、公募設置管理制度(Park-PFI)による桜川公園の再整備を進め、公園の継続的な魅力向上につながる管理運営に取り組んでまいります。また、区民の憩いの場である石川島公園では、鮮やかな花で区制施行80周年を華やかに演出します。

次に、都心にふさわしい魅力ある都市基盤整備についてであります。

築地市場跡地開発が世界中の人々が集う国際交流の場となるとともに、地域と連携し共存共栄できるプロジェクトとなるよう、引き続き要望事項の合意に向けて協議を進めてまいります。併せて、築地・東銀座エリアにおいては、跡地開発に加え、都心・臨海地下鉄新線や築地川アメニティ整備構想、東京高速道路(KK線)の歩行空間化など複数のプロジェクトが進展することから、歩行者ネットワークの形成など広域的かつ中長期的な視点で検討を行い、魅力ある都市空間の創出やさらなる回遊性の向上を図ってまいります。

東京駅前地区では、複数の市街地再開発事業や開発地内でのバスターミナルの整備が進められています。さらなる交通環境の改善については、東京BRTの東京駅方面への延伸を促進するとともに、さくら通りの快適な歩行空間の創出や中央通りの歩行者ネットワーク強化に向けた検討など、地域における取組を支援し、「国際都市東京の玄関口」にふさわしい、安全で快適な交通環境と回遊動線の形成を推進してまいります。

日本橋川沿いエリアでは、5地区の市街地再開発事業や首都高速道路日本橋区間地下化事業などの完成に向け、今後も地元や関係者等と水辺空間の整備検討を進めるとともに、各事業の工事期間中も地域のにぎわい創出が図られるよう、引き続き地元による取組を支援してまいります。また、水上交通の要となる「日本橋船着場」については、江戸橋際への仮移転が必要となるため、デジタルサイネージやベンチ等の施設整備を通じて、利便性の向上と快適な空間づくりを推進してまいります。

都心・臨海地下鉄新線については、東京都が公表した事業計画案のブラッシュアップを図るため、沿線3区を含めた「検討の場」等において、新たな駅周辺のまちづくりの動向を踏まえ、駅とまちとの連携などについて検討を加速させてまいります。併せて、つくばエクスプレスとの接続事業化促進期成同盟会が、昨年6月に首都圏新都市鉄道株式会社へ東京駅延伸の要望書を提出したことで、両路線の接続事業化への動きも活発化しています。この流れを捉え、事業化の検討をさらに進め、新線の早期実現に向けた取組を強化してまいります。

輝く個性とにぎわいが躍動を生み出すまち

第三は「輝く個性とにぎわいが躍動を生み出すまちを目指して」であります。

日本の消費者物価指数上昇率は、2025年度平均で前年比3.1パーセントとなり、4年連続で物価の上昇が続いている状況です。物価高騰の影響が長引く中、区民生活の安定と地域産業の振興を図るため、強力な支援と効果的な消費喚起を生み出すことが必要となっております。そのため、区内中小小売店等で使用できるプレミアム付き区内共通買物・食事券を、過去最大規模で発行した令和7年度と同規模の総額30億円、プレミアム率25パーセントで発行いたします。さらに、区民への直接的な生活支援として、全区民を対象に一人当たり5千円分の「区民の生活応援買物券」を配布します。これら二つの事業を一体的に運用することで、消費喚起の効果を最大化させ、区内経済の持続的な発展を確かなものにしてまいります。また、「商工業のまち中央区」の発展を支える中小企業に対し、融資利率上昇分の公費負担や借換資金融資の延長を行うなど、企業活動を支援してまいります。

観光の面では、円安等の影響もあり、昨年の訪日外国人観光客数は史上最多となる4千万人を超え、本区にも世界各国から多くの観光客が訪れています。こうした中、中央区観光情報センターの開設10周年に合わせ、展示物や和文化体験コーナーのリニューアルを行い、本区の特徴・魅力の発信を充実させるとともに、さらなる都市観光の推進を図ります。

イベントでは、平成27年度を最後に休止し、多くの方から再開を待ち望まれていた東京湾大華火祭を、港区との共催により11年ぶりに開催いたします。併せて、大江戸まつり盆おどり大会で周年記念ノベルティを配布するほか、各種イベントにおいても「区制施行80周年記念」の冠を付し、広く発信してまいります。

また、新しい住民や若い世代の増加に伴い、地域コミュニティを活性化させる取組が重要になっています。子どもたちが地域の行事に参加・体験できる機会を創出・拡大させるため、地域活動の主役である町会・自治会の実施する地域イベントや盆おどり大会への助成に「子ども参加促進加算」を新設し、多世代が顔の見える関係を築くことができる環境づくりを推進してまいります。さらに、増加する外国人区民との共生に向け、昨年実施した意識調査において寄せられた生活マナーやトラブルに関する不安を踏まえ、正しいルールへの理解を促進する啓発リーフレットを作成し、誰もが安全・安心に暮らせる環境の確保を図ってまいります。併せて、外国人区民が地域の一員として安全・安心に生活できるよう、窓口対応を含めその支援に資する施策についても検討を深めてまいります。

本年は、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック・パラリンピックやワールド・ベースボール・クラシック、サッカーワールドカップなど大きなスポーツイベントが目白押しであり、スポーツに対する区民の関心が一層高まることが見込まれます。こうした中、これからの本区のスポーツ振興の指針となるスポーツ推進ビジョンの改定を行います。区民やスポーツ団体等を対象とした調査で浮き彫りになった課題について、今後の区のスポーツ施策の体系と方向性を定めることで、効果的な事業展開へとつなげてまいります。また、子どもたちが日常的に安全・安心に過ごせる場所を確保し、地域でのびのびと活動できる環境づくりを推進するため、あやめ第二公園の改修による公園機能の充実を図るほか、築地川公園多目的広場と隣接する入船トンネル(仮称)を子どもの遊び場やスポーツ活動の場として、一体的な整備を進めてまいります。

次に、教育についてであります。

月島地域における児童生徒数の増加に伴う学校施設の狭隘化に対応するため、晴海中学校新校舎の整備を進めてまいります。東京都から借り受ける晴海二丁目都有地に校舎を整備し、月島第一小学校および月島第一幼稚園の改築のための仮校舎として使用した後、内部改修を経て晴海中学校の新校舎として使用します。令和8年度に設計業務に着手し、令和14年度の仮校舎運用を目指してまいります。今後も人口増加が続くと見込まれる月島地域において、将来にわたって良好な教育環境を維持することができるよう努めてまいります。

不登校対策については、これまで、適応教室をはじめとした校外での教育機会の確保はもとより、教育相談体制の充実や関係機関との緊密な連携の深化に努めてまいりました。現在、全中学校および小学校4校に、校内別室指導支援員を配置し、不登校、あるいはその傾向にある児童生徒が、心身ともに安らぎを得ながら、自己肯定感や日々の充実感を育むことのできる「校内の居場所」の構築を推進しております。これらに加え、令和8年度には新たに小学校6校へ本取組を拡大いたします。一人一人の状況に深く寄り添い、学習支援のみならず、多様な活動や対話を通じたきめ細かな支援を徹底することで、「誰一人取り残すことのない教育環境」の実現を目指してまいります。

区民の幸せと区政のさらなる発展に向けて

本区を取り巻く環境はめまぐるしく変化を続けております。今後も区民の負託に応え続けていくためには、こうした社会の変化を的確に捉え、行政運営を効率的・効果的に執り行わなければなりません。

行政サービスのデジタル化は、区民の利便性の向上のみならず、業務のあり方を根本から見直し、将来にわたり安定的で質の高い行政サービスを提供するために不可欠な取組であります。今後も業務改革(BPR)の視点を踏まえ、法令等で制約があるものを除いた全手続きのオンライン化を着実に進め、情報化基本方針に掲げる「区民にとって便利でやさしい区役所」の実現を目指してまいります。

新年度は、在住・在勤の皆さまの主体的な地域活動への参加やさまざまな地域課題の解決につながる行動変容を促すため、新たに地域ポイント事業を主軸とした中央区公式アプリを導入します。このアプリを活用し、行政サービスの充実や区民の利便性の向上、さらには区の魅力発信の取組について検討を進めてまいります。

本区は今、「中央区セントラルパーク構想」を核として、人と人、人と水、人とみどりが豊かにつながる都市づくりを進めています。人と水とみどりが美しく調和するこのまちを舞台に、世代や立場、文化や国籍を超えた多様な交流を育み、誰もが自分らしく輝き、共に未来を創り上げていく持続可能な都市の実現を目指してまいります。本区ならではの伝統と文化を守るとともに、新たな価値の創造も積極的に支援し、区内事業者と連携しながら、文化や芸術、歴史資源をまちづくりの力として生かす文化主導の取組を進めることで、区内の産業や観光に新たなにぎわいを創出し、誰もが訪れたい、働きたいと思えるまちを実現してまいります。

こうした考え方のもと、基礎調査の実施など新たな基本計画策定に向けた検討に着手するとともに、公共施設においては、拡大・多様化する行政需要に的確に対応するため、中長期的な視点に立った戦略的な公共施設の整備と活用を図る施設整備方針を策定してまいります。

昭和22年の区制施行以来、本区は幾多の時代の変化に向き合いながら、都心に暮らし、働く人々の生活を支える自治体として歩みを重ねてまいりました。区制施行80周年を迎える今、人口20万都市という新たな段階を目前に控え、これまで培ってきた力を、次の時代へと丁寧につないでいく局面に立っております。

この節目に当たり、本区の魅力と価値を改めて見つめ直し、区民の皆さまと共有しながら、まちへの愛着を深めていく取組を全庁を挙げて進めてまいります。歴史と文化を次世代に確実につなぐため、デジタルアーカイブの構築や映像制作を行うとともに、地域の皆さまが主体となって魅力を掘り起こし、発信する取組を後押しいたします。併せて、多角的な調査分析を踏まえた効果的な情報発信や、体制の充実を図ることで、継続性のある取組としてシティプロモーションを推進してまいります。

また、築地市場跡地の再開発をはじめ、都心・臨海地下鉄新線、日本橋における首都高速道路の地下化など、次の時代を見据えた都市基盤整備が動き始めています。これらの取組は、国際都市東京の競争力と魅力を高め、日本全体の成長と発展を支える、首都の未来を形づくるものであります。本区としても関係機関、関係事業者等と連携しながら、着実な推進に努めてまいります。

まちとまちの未来を創るのは、そこに集う「人」の力であります。ここに住む人、ここで働く人、そして国内外からこのまちを訪れる人、それぞれの想いと営みが重なり合うことで、本区ならではの活気と多様な魅力が育まれてきました。こうした人のつながりこそが、本区の発展を支える大きな力であると確信しております。

江戸以来の歴史の中で磨き上げられてきた「粋」の精神と、人口20万都市としての新たな活力を礎に、区民の皆さまと力を合わせ、誰もが誇りと愛着を持てるまちづくりを進めてまいります。その歩みの先に、世界から信頼され、選ばれ続ける都市の姿を描きながら、これからも着実な区政運営に取り組んでまいります。

重ねて、区議会ならびに区民皆さま方のご理解とご協力を心よりお願い申し上げ、私の所信表明といたします。

お問い合わせ先

企画部政策企画課 

〒104-8404 築地一丁目1番1号 本庁舎2階

電話:03-3546-5212

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