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中央区民文化財48 中村家文書(なかむらけもんじょ)

更新日:2022年11月1日

中村家文書の画像
中村家文書

種別

区民有形文化財 古文書

所在地

日本橋馬喰町一丁目5番4号 中庄

員数

3点

年代

文久4年~明治4年

登録年月日

平成7年4月1日

登録基準

〔4〕

  • イ、古文書類のうち、歴史上、学術上又は文化史上重要と認められるもの
  • 二、区の歴史、文化に関係の深いもの

広報紙コラム「区内の文化財」より(平成27年5月21日号掲載)

江戸時代の馬喰町(現在の日本橋馬喰町一・二丁目)は、江戸城外堀から浅草御門に至る通り沿いに形成された両側町(通りを挟んで向かい合う両側の町屋敷で形成する町)で、近くには関東郡代(関八州の幕府直轄領を支配〈年貢徴収・治水・領民の紛争処理など〉)の役宅がありました。このため、馬喰町には諸国からの訴訟人が逗留する公事宿が集中することになり、江戸土産を扱う近辺の商店などと相まって、江戸の宿泊(旅人宿)地として繁盛しました。
今回の文化財は、日本橋馬喰町一丁目の地で200年以上続く老舗企業・中庄株式会社(中村家)に伝来する古文書です。同社は天明3年(1783)に越後国蒲原郡出身の初代・中村庄八が馬喰町二丁目において紙類・紙煙草入れを商う店を開業したことに始まります。当地での商売が軌道に乗り、文化10年(1813)には馬喰町一丁目(現在地)に店を移して大いに発展しました。なお、文政7年(1824)の商店ガイドブック『江戸買物独案内』をみると、馬喰町一丁目に小間紙大問屋「紙屋庄八」や紙煙草入問屋「中むらや庄八」の名が確認できます。
中村家伝来の文書は、文久3年(1863)の火災で大半が焼失しましたが、日本橋の商家の慣行を伝える3点(家業に関わる「永代日用記録」「御定目」、先祖由来書の「永代之亀鑑」)が現存しています。
このうち、四代目庄八が記した家訓書「永代日用記録」(明治3年)には、代々の主人が毎日守るべき心得(31条)を細かく規定しています。奉公人を使う主人の心得や帳簿・売掛金・貸借金の扱い方、家業における男子相続の禁止(「当家に男子出生致ス共、別家又は養子ニ遣すべし、夫迄は召遣同様ニつかふべし、男子相続は後代迄永々決而相ならず、当家相続は養子ニ限り堅く定置もの也」)などまで明確に規定されています。
また、奉公人が家業第一に務めるための店則「御定目」(文久4年)には、奉公人が守るべき日常の心構えや規定(35条)があり、商取引上の心得、出入職人・得意先・親類縁者の扱い方、勤務規則から精進日・公休日の過ごし方、宿下がりの土産物に至るまで詳細に知ることができます。
中村家文書は、商魂たくましい日本橋の商家の指針・生き様がうかがえる数少ない貴重な資料といえるでしょう。
中央区総括文化財調査指導員
増山一成

お問い合わせ

中央区立郷土資料館
電話:03-3551-2167

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