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中央区民文化財26 佃浪除稲荷神社の力石(つくだなみよけいなりじんじゃのちからいし)

更新日:2022年4月11日

佃浪除稲荷神社の力石の画像
佃浪除稲荷神社の力石

種別

区民有形民俗文化財

所在地

佃一丁目8番4号 佃浪除稲荷神社

員数

3個

年代

明治期(推定)

登録年月日

平成5年4月1日

登録基準

〔1〕ト、民俗芸能、娯楽、遊戯に用いられるもの(衣装、道具、楽器、面、人形、玩具、舞台等)

広報紙コラム「区内の文化財」より(平成25年7月21日号掲載)

隅田川に面する佃一丁目地区は、当地を囲むようにして鍵形に流れる佃川支川(佃堀)や堀に架けられた佃小橋などがあり、風情に富んだ人気の場所です。こうした風致景観は、長い歴史の営み中で形成された佃島(江戸時代に摂津国の漁師たちが造成した“島”)の一端を伝える貴重な遺産です。そして、佃のまちを歩けば鎮守の社・住吉神社をはじめ、佃小橋の南に祀られた森稲荷神社(佃一丁目4番4号)や堀をはさんで位置する於咲稲荷神社・浪除稲荷神社などの小祠にも気付かれることでしょう。
さて、今回の文化財は、漁師町であった往時の佃島を物語る佃浪除稲荷神社の力石について紹介します。力石は3個あり、浪除稲荷参道入口に立つ石灯籠の脇や木立の根元などに置かれています。
これらの力石は、一般的な力石にみられるような楕円の形で、表面に凹凸が少ない安山岩系の自然石で造られています。寸法は、概して長径60から64センチメートル・短径36から43センチメートル・厚さ18から23センチメートルほどの石です。
また、力石には、表面に「石銘・地名・重量・人名・年月日」などの記録を刻字(切付)したものもあれば、まったく無銘のものまでさまざまあります。浪除稲荷境内の3個の力石には、すべて表面に刻銘された部分(朱塗りが施してある)が読み取れ、これらの力石には「さし石」の呼称名が共通して刻字されています。佃では、両手で物を上にあげて持つ意味の“さす”という言葉から、力石を「さし石」と称していました。
なお、全国的にみると、力石には「磐持石・番持石・晩持石・かたげ石・試し石・抱き石・担ぎ石・さし石・上げ石」などさまざまな呼称があるようです。
さらに、力石の一つには、「さし石」「奉納」の刻字とともに、「佃大市」「佃辰」「佃清」「吉松」など、実際にさし上げた(持ち上げた)者の名を読み取ることができます。
この「さし石」は、佃島の若い力自慢の漁師たちが力比べでさし上げた石であり、漁業を主たる産業としていた佃島の人びとの風俗習慣・信仰・郷土愛の発露によって当稲荷神社に奉納・保存されてきた貴重な民俗文化財といえるでしょう。
中央区主任文化財調査指導員
増山 一成

お問い合わせ

タイムドーム明石(中央区立郷土天文館)
電話:03-3546-5537

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