住吉神社水盤舎(すみよしじんじゃすいばんしゃ)

掲載日:2023年7月14日

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住吉神社水盤舎の画像
住吉神社水盤舎

種別

区民有形文化財 建造物

所在地

佃一丁目1番14号 住吉神社

員数

1棟

年代

明治44年(水盤:天保12年)

登録年月日

平成2年4月1日

登録基準

〔1〕

  • ハ、区の歴史、文化に関係の深いもの

広報紙コラム「区内の文化財」より(平成23年4月21日号掲載)

住吉神社は、江戸時代に創建された歴史ある神社です。その起源は、正保3年(1646)に摂津国西成郡佃村(現在の大阪市西淀川区)の漁師たちと神職平岡権大夫好次が分神霊を奉戴し、現社地に住吉三神・神功皇后・徳川家康の神霊を奉遷祭祀したことに始まります。現在では、月島地域の産土神(氏神)として広く信仰されています。
神社には社殿や参道の脇に参拝者が手や口をすすぎ清めるための水盤舎・手水舎などと呼ばれる建物がありますが、住吉神社にも境内の参道脇に水盤舎があります。住吉神社の水盤舎は、明治2年(1869)に再建した現在の社殿と同時期に建てられ、その後、明治44年(1911)に改築されています。構造は、棟を境にして本を開いて伏せたような形式の切妻造で、中心には四方転びの柱に囲まれるように石造の水盤が置かれています。
水盤舎の細部に目を凝らすと、欅材を用いた欄間や木鼻に見事な浮き彫り彫刻が施されていることに気付きます。四方に見られる欄間彫刻の表面には、石川島の灯台を背景にした佃の渡し風景・帆をはった二艘の廻船・網を打つ小舟・磯辺の風景を題材とした彫刻、内側にも、潮干狩りの風景などの彫刻が施されています。さらに、木鼻には躍動感のある唐獅子の彫刻が見られるなど、風情と風格を備えた水盤舎といえるでしょう。
また、参拝者が利用する石造の水盤は、天保12(1841)に江戸の木綿問屋仲間の白子組(越後屋・白木屋・大丸などが所属)が奉納したもので、背面に「天保12年 丑正月 白子組」の刻銘が見られます。
住吉神社境内の水盤舎と水盤は、区内の歴史や文化と関わりの深い文化財です。
中央区主任文化財調査指導員
増山一成

お問い合わせ先

教育委員会事務局図書文化財課郷土資料館

〒104-0041 新富一丁目13番14号

電話:03-3551-2167

ファクス:03-3551-2712

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