南高橋(みなみたかばし)

掲載日:2023年7月14日

ページID:4294

ここから本文です。

南高橋の画像
南高橋

種別

区民有形文化財 建造物

所在地

新川二丁目~湊一丁目(亀島川)

員数

1基

年代

昭和7年

登録年月日

平成2年4月1日

登録基準

〔1〕

  • イ、意匠的又は技術的に優秀なもの
  • ロ、歴史的又は学術的に価値のあるもの

広報紙コラム「区内の文化財」より(平成23年5月21日号)

南高橋は、新川地区と湊地区の間を流れる亀島川に架けられた橋です。架橋位置は、亀島川と隅田川がちょうど合流する地点になります。橋の構造は、橋長63.1メートル、幅員11.0メートルの鋼鉄トラス(三角形を基本とした骨組構造)橋です。
南高橋は、江戸や明治の頃からあった橋ではなく、大正12年(1923)の関東大震災の後に行われた帝都復興事業(土地の区画整理や街路・橋の工事など)によって新たに架橋された橋でした。
実はこの橋、当初の復興事業には架橋予定はなく、その後の事業変更によって建設することが決定しました。そのため、区内の復興橋梁(震災後に架橋された橋)のほとんどが昭和4年(1929)頃までに完成していますが、南高橋の場合は着工が昭和6年、竣工が昭和7年とやや遅れています。
さらに、工事費を予算の枠内に収める必要から、復興橋梁として架け替える旧両国橋の一部を再利用するという、実にエコノミーな橋でもありました。
旧両国橋は、明治37年(1904)に三連のトラス橋として架けられた特徴的な橋で、南高橋の部材に利用したのは旧両国橋の中央径間部分です。なお、南高橋に転用する際には部分補強していますが、現在まで大きな改修工事もなく、竣工当時の状態を良く保っています。
都内に残る明治期の鋼鉄トラス橋には、明治11年(1878)架橋の旧弾正橋(現在は江東区白河に移設され「八幡橋」と改称:重要文化財)などがありますが、南高橋のように、明治期の鋼鉄トラス橋を用いた現役の道路橋である橋は、全国的にみても希少であり、近代の土木遺産として貴重な文化財です。
中央区主任文化財調査指導員
増山一成

お問い合わせ先

教育委員会事務局図書文化財課郷土資料館

〒104-0041 新富一丁目13番14号

電話:03-3551-2167

ファクス:03-3551-2712

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?