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「区のおしらせ ちゅうおう」 令和2年9月11日号

区内の文化財

日本銀行(にっぽんぎんこう)本店本館

国指定重要文化財 建造物 日本橋本石町二丁目1番1号
写真:日本銀行本店本館
▲日本銀行本店本館

江戸幕府の銀貨鋳造所と銀座役所が置かれていた新両替町の一帯は、明治2年(1869)に「銀座」の町名(当時は一丁目から四丁目まで)が正式に採用されました。現在は、中央通り沿いの歩道(銀座二丁目7番先)に「銀座発祥の地」と刻まれた記念碑が立ち、当該地の歴史を伝えています。また、大判を除いた金貨の鋳造(初期は小判・一分金の鋳造のみ)を行う組織の「金座」(座長である後藤庄三郎役宅の金座役所・金座人役所・金吹所(ふきどころ))は、日本橋の後藤役宅(元禄11年に本郷の大根畑(だいこばたけ)にあった吹所を廃止して金座役所に合併)に置かれましたが、明治政府による金銀両座の収公によって明治2年に廃止されました。現在は、日本銀行本店の土地が広がっており、敷地内には文化財の建造物(「日本銀行本店本館」)もあります。
昭和49年(1974)に重要文化財の指定を受けた「日本銀行本店本館」は、明治23年(1890)の着工から約5年半の歳月を経て、明治29年(1896)に竣工しました。明治期の洋風建築を代表するこの建物は、ジョサイア・コンドルに師事した建築家・辰野金吾(1854から1919)が手掛けた作品の一つで、石積み外壁の内側にレンガを裏積みした構造(「石積みレンガ造」)です。地上3階・地下1階建ての日本銀行本店本館は、建物南側正面にアーチ型の門扉と銃眼型の小窓が並ぶ低い障壁を立たせ、奥の中庭をコの字型に囲むように主屋を配置するなど、極めて堅固な防御性を備えた点に特徴があります。
銅板葺きの屋根部分は、正面中央にドームを頂き、北の主屋と東西両翼部などに切妻屋根が採用されています。外観の装飾をみると、両翼部に装飾を省いたペディメント(切妻屋根下部にある三角形の部分)とコリント式の双柱オーダーがシンメトリーに配され、中庭の回廊にはドリス式のオーダーを立ち並べています。日本銀行の建物は、こうした古典主義の意匠を組み合わせながら独自性の強い重厚なデザインを創出している点に特徴があります。辰野は国家的建築(日本銀行)を設計する以前に、欧米各国の中央銀行建築を視察しており、在ロンドン中にベルギー国立銀行を範にとって原案を作成し、帰国後に設計をまとめたといわれています。西洋の建築技術や先進的な設備(エレベーター・防火シャッターなど)を導入するとともに、古典主義の意匠を日本的に翻案したような創意がみられる貴重な近代建築です。

中央区総括文化財調査指導員
増山一成

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