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「区のおしらせ ちゅうおう」 令和元年7月1日号

山本区長所信を表明 「輝く未来」に向けた着実な前進

山本区長は、6月19日に開会された令和元年第二回区議会定例会で、区政運営について所信を述べました。その全文を紹介します。

写真:中央区長 山本 泰人(やまもと たいと)
▲中央区長 山本 泰人(やまもと たいと)

 本日、ここに令和元年第二回中央区議会定例会の開会に当たり、私の所信の一端を申し述べ、区議会ならびに区民皆さま方のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 去る4月21日執行の区長選挙において、多くの区民の温かいご支援により当選の栄を受け、名誉ある中央区長に就任し、はや2カ月が経とうとしております。
 この間、区民の皆さまから温かいご指導、ご助言、さらに多くのご要望をいただき、区政に対する区民の期待の大きさと責任の重大さをあらためて実感するところであります。
 私は日本橋で、40年以上にわたり企業に身を置いてまいりましたが、縁あって本区体育協会やオリンピック・パラリンピック区民協議会において区との関わりを持ってきたこともあり、このまちには深い愛着を持っております。それだけに、魅力あふれる中央区をますます発展させたい、これからも区民の方々が明るく安心して暮らせるまちであり続けたい、との強い思いでおります。
 これまでの区政は、最大の課題であった定住人口回復という目標に向かって住環境の整備をはじめとする総合的な施策に取り組んだ結果、人口を回復軌道に乗せ、今や16万人を超えるなど大きな成果を挙げてまいりました。
 平成29年には、福祉や教育をはじめさまざまな分野での人口増加に伴う新たな課題解決に向けて、20年後の中央区を展望した「中央区基本構想」を議会の議決を経て策定し、本区の将来像を「輝く未来へ橋をかける 人が集まる粋なまち」と描き、この実現に向けた「基本計画2018」のもとで着実な歩みを進めております。
 私は、この基本構想を継承し、これまで培ってきた民間人としての視点も取り入れつつ、区民福祉や教育、防災、環境などあらゆる分野にわたる課題と向き合い、この基本構想が掲げる将来像の実現に向けてさらなる発展・充実を図るべく、中央区のまちづくりに全力で取り組んでまいります。
 区政を推進していくに当たって何よりも重要なことは、区民から信頼を受ける行政でなければならないということであります。私は、公正、公平、清潔な区政運営はもとより、常に怠ることなく自己研鑽を積み、全職員とともに、区民皆さまの負託に応えてまいりたいと存じます。

6つの基本政策

 以上の点を心にとどめ、6つの基本政策について、私の考え方を述べさせていただきます。
 第一の政策は、「都心の魅力に磨きをかける中央区」であります。
 初めに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーを活用した都心の新たな魅力づくりについてであります。
 中央区では、東京2020大会において選手村が開設されるという千載一遇の機会に恵まれました。一方で大会期間中には、交通規制やセキュリティ対応などがこれまでに経験したことのない規模で実施され、区民生活に大きな制約がかかることも想定されます。詳細については、いまだ明らかにされていない点も多くあることから、区といたしましては、東京都、組織委員会に対して具体的な計画の明示と適切な対応を要望するとともに、緊密な連携のもと区民生活を守る万全の体制を組んでまいりたいと存じます。
 選手村を擁する地元区として、各国選手団や大会関係者など多くの方々をお迎えすることは、まさに本区の日常の中にオリンピック・パラリンピックが溶け込み、身近に体感する機会となりますし、心を込めたおもてなしをすることは、多くの区民に大会の記憶として、思い出として残っていくことと思います。
 東京2020大会のレガシーを本区の発展につなげていくために、ぜひとも大会を成功させようではありませんか。
 次に、BRTの早期運行、都心・臨海地下鉄新線等交通網の拡充についてであります。
 中央区は、交通網が発達し利便性の高い土地柄ではありますが、近年人口が急増している月島地域では、勝どき駅の深刻な混雑や公共交通不便地域などがみられます。およそ6年後には、区内人口の半数が月島地域に居住すると推計しており、交通問題についてはしっかりと解決していかなければなりません。BRTの本格運行まであと3年程度はかかると見込まれておりますが、現状をみると、一日でも早く実現させる必要がありますので、引き続き東京都に働きかけてまいります。地下鉄新線につきましても、一朝一夕に解決することは難しいものと理解しておりますが、早期の開通を目指して、国や都と協議してまいります。
 次に、名橋「日本橋」の景観整備や築地市場(外部サイトへリンク)跡地再開発についてであります。
 本区の特徴である豊かな水辺空間を活用した水と緑あふれるまちづくりを進めていくに当たって、その象徴となるものが日本橋上空の首都高速道路の地下化であると考えております。空の見えない日本橋から、空と一体となった風景の広がる日本橋へと変わるとき、都心中央区としての新たな魅力が生まれてくると思っております。今後も国や都と連携しながら、実現に向けた取組を着実に進めてまいります。また、築地市場(外部サイトへリンク)跡地の活用も今後の中央区の魅力を左右する大きな課題であります。築地地区が食文化を継承し発展し続けるためには、隣接する場外市場との連携や区民が憩い、集えるような場所にしていくことが早期に必要でありますので、地元区としての考え方を積極的に東京都へ伝えてまいります。

写真:場外市場の様子
▲場外市場の様子

 第二の政策は、「子どもも親も安心して輝ける子育て・教育の中央区」であります。
 ここ数年来中央区では、子育て世代の転入や出生数の増加などにより、ベビーカーを押してまちを歩く親子の姿や公園で元気に遊ぶ子どもたちの姿が日常の光景として多くみられるようになり、まちのにぎわいや活気とともに人口増加をあらためて実感するところであります。
 保育園を希望する方や学校に入学する児童も年々増加しており、子育て・教育環境の基盤整備を確実に進めていかなければなりません。今後、晴海選手村跡地の開発がなされることから、この開発に伴う保育施設整備に加えて、晴海四丁目公共施設に認定こども園を設置し、地域全体でおよそ千人規模の保育定員拡大を目指すとともに、晴海五丁目に小学校・中学校を整備してまいります。
 また、本区では、都心という地域特性から多くの保育園に園庭がなく、子どもたちが安全な場所で伸び伸びと走り回ったり、思い切り体を使って遊ぶことができる環境が求められております。各保育園が区内にある広い公園やグラウンドを活用できるような支援体制の検討を進め、保育環境のさらなる向上を目指してまいります。
 次に、学童クラブやプレディなど放課後の居場所づくりの充実についてであります。
 学童クラブ入会希望者は年々増加し、待機者もいる中、プレディで学童クラブ待機者も受け入れ、預かり時間などほぼ同様のサービスを受けられる体制をとっております。今後も児童数増加が見込まれることから、学童クラブとプレディのより一層の連携に努めるとともに、それぞれの特徴を生かしたサービス内容の充実に向けて検討を進めてまいります。
 次に、ICT教育など次世代の力を伸ばす教育の充実についてであります。
 近年、「AI」いわゆる人工知能やモノのインターネットと呼ばれる「IoT」等をはじめとするIT技術は急速に進歩し、働き方や生活そのものが大きく変わりつつあります。これからの未来を担う子ども達が、こうした変化する社会に対応し、ICTの活用などさまざまな学びを通して自らの個性と創造力を伸ばしていけるよう環境を整備することが重要であります。教育内容や学習環境の充実に向けて、「中央区総合教育会議」などを通じ、区と教育委員会が教育施策の方向性を互いに共有し、連携強化と十分な意思疎通を図りながら、一人一人の個性や能力を伸ばす取組をさらに進めてまいります。
 第三の政策は、「元気な高齢者、障害者、笑顔があふれる中央区」であります。
 初めに、健康寿命延伸への取組強化についてであります。
 高齢者がいつまでもいきいきと活動し、人生を謳歌して暮らし続けるためには、生涯にわたり心身ともに健康で暮らせる健康寿命を延ばしていくことが大切であり、自分の健康は自分で守るという主体的な意識のもとで、区民一人一人が元気なうちから積極的に健康づくりに取り組むことが求められます。そのため、高齢者通いの場やいきいき館など身近なところで取り組める環境づくりを進めてまいります。
 また、高齢者が自らの能力や経験を発揮し、生きがいや役割を持って地域社会の担い手として活躍できるよう支え合いの仕組みづくりを推進してまいります。
 今後、増加することが見込まれる認知症高齢者に対しては、早期発見や早期診断、相談・支援体制の充実を図るとともに、認知症の正しい知識や対応方法を理解し、安心して暮らせるよう地域全体でサポートする環境づくりを進めてまいります。また、医療・介護の関係機関が緊密に連携した包括的な支援により、高齢者の在宅療養生活を支えてまいります。
 次に障害者の自立と就労支援の充実についてであります。
 障害のある方が、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、一人一人の状況に応じた多様なニーズを適切なサービスに結び付けるため、基幹相談支援センターを中心としたサービス事業所間のネットワーク強化を図ります。また、就学前、学齢期から成人に至るまで、切れ目のない一貫した支援を行うため、ライフステージを通じたサポート体制、ケアマネジメント体制の整備を進めるとともに、障害のある方の特性と能力に応じて、自立した生活が営めるよう、障害者就労支援センターの取組をはじめとした就労支援の充実を図ってまいります。
 第四の政策は、「災害に強い安全・安心なまち中央区」であります。
 近年、地震や大型台風、集中豪雨など大きな災害が毎年のように発生している中、自助・共助・公助のあり方が問われております。
 本区では、16万人を超える区民が居住し、昼間人口が60万人を超える中、すべての災害対策を公助すなわち行政でできるものではありません。これからの災害対策を考えるとき、個人一人一人が防災意識を持って自分の身を守ることはもとより、地域の中でお互いに協力し合う共助を充実していくことが大切であります。そのためには、地域コミュニティの核である町会や自治会に加え、地域の事業者、中学校や高校の生徒など災害時にある程度自分で動ける地元の力や若い力を結集していくことが重要であります。さらにこうした取組は、災害時に自主避難が困難な方への支援につながっていくものと考えます。それぞれの地域の方々の顔が見えるような環境をつくりあげていくため、防災拠点ごとの訓練への支援など区民や事業者、関係機関による地域コミュニティを重視した取組を進めてまいります。

写真:総合防災訓練
▲総合防災訓練

 次に、帰宅困難者対策についてであります。
 地震発生時において、来街者や地下鉄利用者など本区にとどまらざるを得ない深刻な帰宅困難者数は、およそ6万人と想定しているところであります。しかし、帰宅困難者一時滞在施設および一時待機場所の収容可能人数は3万人にとどまっており、地震発生時には本区防災拠点に避難者が殺到することも考えられます。あらためて人が集まる都心中央区の特性を分析し、実態に見合った対策を検討するとともに、大規模開発等の機会を捉え、一時滞在施設等の一層の確保に努めることはもとより、東京都や防災関係機関、帰宅困難者支援施設運営協議会などとの連携強化を図ってまいります。
 次に、高層住宅などの防災対策の強化についてであります。
 本区では、およそ9割の方が集合住宅に居住されており、この中にはタワーマンションも数多く含まれております。また、都心の業務集積地域でもあることから、オフィスビルやホテルなど高層の建物が密集しているのも中央区の特徴であります。こうした現状を捉え、防災備品や食料の備蓄などエレベーターを含むライフラインが停止した場合に備えた対策や防災マニュアルの作成支援などに加え、マンション管理組合や事業者との情報共有を図る取組を検討し、これら高層建築物に対する防災対策のさらなる強化を図り、災害に強い安全・安心なまちづくりを進めてまいります。
 第五の政策は、「コミュニティの息づくまち中央区」であります。
 本区の魅力は、江戸の頃より、住んでいる方だけでなく働いている方も含めて顔と顔とが見える人情味あふれるコミュニティが形成されてきたことです。しかし、人口の急増や生活様式・価値観の多様化なども相まって、地域でコミュニティを築くことにさまざまな課題が生じております。東京2020大会後には、晴海選手村跡地に大規模なまちも誕生します。この機会に本区の地域コミュニティを見つめ直し、区民や地域の事業者などが一体となって、愛着の持てるまち、心が通い合うコミュニティを形成していけるよう力を尽くしてまいりたいと考えております。そのため、町会・自治会を中心とした交流を深める地域イベントに対して積極的に支援を行うとともに、町会・自治会、NPO・ボランティア団体、企業などとの連携を通じ、地域活動に意欲のある区民が参加しやすい仕組みづくりを推進してまいります。

写真:大江戸まつり盆おどり大会
▲大江戸まつり盆おどり大会

 第六の政策は、「商業と観光が躍動し交流が生まれるまち中央区」であります。
 江戸以来、中央区は商工業のまちとして栄え、東京そして日本の商業や経済を発展させる原動力となってまいりました。東京2020大会が目前に迫った今、大会の中心となる選手村を擁する本区としては、さらなる商工業の発展に結び付けるべく、この勢いを生かして商店街や各種産業の振興施策に取り組むとともに、なお一層の増加が見込まれる海外からの観光客や来街者に向けて、観光案内や情報発信などの充実に取り組んでまいります。
 また、地域経済を支える中小企業等に対し、業種を超えた交流や商取引の拡大を目指す機会を設けるなど積極的な支援を図ってまいります。
 本区はこれまでも、東京の心臓部の役割を果たしてきましたが、今後もこの役割を果たすべく、さらなる商工業の隆盛と発展を目指してまいります。

令和元年度補正予算

 次に、補正予算として提案しました事業の概要について申し上げます。
 東京2020大会に向けて、選手村から銀座につながる晴海通り、そして中央通りを「おもてなしロード」と位置付け、晴海通り沿いの区立公園にミストの整備などを行うとともに、「スポーツと平和の祭典」という大会趣旨を踏まえ、あらためて平和への理解を深めていくため、区立小学校16校の児童の原画をもとにした平和モニュメントを晴海第三公園(外部サイトへリンク)に設置いたします。
 市場移転後の築地場外市場地区に対しては、にぎわいが継承されるよう、地域活性化に向けた取組を支援する事業を新たに実施いたします。
 また、待機児童解消に向けた取組として、日本橋浜町において10月開設予定の私立認可保育所を支援するとともに、国が進める幼児教育・保育の無償化への対応として、保育システムの改修などの準備に着手します。
 さらに、伝統工芸品産業について、これからも絶えることなく継承されていくための有効な支援策を検討するため、伝統工芸品産業事業者への調査を実施するとともに、情報発信のあり方についても検討いたします。
 補正予算の概要について申し述べましたが、今後とも、喫緊の課題や速やかに実行すべき施策について、時機を失することなく対応してまいります。

「誰もが明るく安心して暮らせるまち」「活気を持って働くことができるまち」の実現に向けて

 中央区は、首都東京の中心として、商業、経済、金融など都心機能が集積している強みと魅力を持っておりますが、こうした機能が重視されるあまり、一時は住民が追い出されるかのように人口減少に陥っておりました。しかし、本区の総合的な施策によって、定住人口の回復という大きな成果を挙げ、人口推計では20万人も見込まれるようになってきております。
 これからの中央区を考え、私は、「ハートオブ東京 中央区」を掲げさせていただきました。「ハート」には2つの意味を込めております。1つは、先にも述べましたが、東京の商業、経済を牽引していく「心臓部」の役目を果たすべき地域であるということであります。これは、江戸以来中央区の発展を支えてきた土台となるものであり、決して変わらない、変えてはならないものであります。そして2つ目は、日々暮らす中で、人と人とがふれあい、いたわり合い、思いやる「心」であります。これからも人口増加が見込まれ、集合住宅に居住する区民が9割という中で、ややもするとコミュニティの薄い冷たいまちになりかねない現状に対し、「心」と「心」の通い合うまちが求められていると強く感じております。
 この2点をこれからの区政運営を進めていく柱に据え、これまでの経済人としての知識や経験、民間人としての感覚を生かしながら、本区が培ってきた行政基盤をもとに時代の変化を的確に見据えた効率的、総合的な取組を進めることによって、
「誰もが明るく安心して暮らせるまち」「活気を持って働くことができるまち」を実現してまいります。
 区議会ならびに区民皆さま方とともに、輝く未来に向けて発展し続ける中央区の歩みを止めることなく、着実に前進すべく全力をもって臨んでいく決意であります。
 重ねて、区議会のご協力と区民皆さま方のご支援をお願い申し上げ、私の所信の表明といたします。

本文ここまで

以下 奥付けです。

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