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区のおしらせ 中央
平成31年3月11日号

32年間への謝意と新しい時代への祈念

上空から望む中央区
▲上空から望む中央区

 さて、昭和62年4月、区長に就任以来、今日まで8期32年にわたり、名誉ある中央区長としての重責を担ってまいりましたが、今期をもって退任することといたしました。
 これまで私は、政治・行政に携わる者の一人として、自らを厳しく律することはもとより、全職員とともに区民皆さまの負託に応えていくため、「政治倫理の確立」と「綱紀粛正」を政治・行政の出発点に置き、「わかりやすい政治の確立」と「血のかよった行政の実現」を区政執行の基本姿勢として、ひたすら区民の幸福追求と区政発展のために心血を注いでまいりました。
 顧みますと、区長就任当時、本区は極端な業務地化や異常ともいえる地価高騰と底地買いの横行により、急激な人口減少とまちの空洞化が進み、区民生活や住環境のみならず防災・防犯面での不安など地域社会全体にさまざまな陰りをみせておりました。
 こうした状況に対する切実な危機感のもと「都心に人が住めるようにしよう」を合言葉に、定住人口回復に向けて全力を挙げて取り組み、生まれ育ったわがまち中央区に、そこに暮らす区民の皆さまにご恩返しができればとの思いで、区政運営にまい進してまいりました。当時私が掲げた「定住人口回復」に対しては、「都心居住は現実的ではない」など、国や東京都も含めて周囲からの見方は冷ややかなものであり、いわば孤軍奮闘のような状況でありましたが、人が集い、にぎわいと活気のあるまちこそが中央区の生命線であるとの揺るぎない信念を持って、快適な都心居住に向けたまちづくりを進めてまいりました。これこそがまさに新たな基本構想に掲げる「中央区スタイル」の原点であったと思うところであります。
 こうした取り組みが実を結び、平成10年、実に45年ぶりに定住人口が増加に転じ、以来今日まで一貫して増加し、昨年5月には、59年ぶりに16万人を突破しました。人口構成は30代、40代の働き盛り、子育て世代の方々が中心となり、20年前には500人ほどであった年間出生数もここ13年間は1千人以上、とりわけ直近3年間は2千人を超えるなど、まちには子どもたちの声が満ち溢れております。わが国全体が少子高齢化、人口減少時代に入っている中で、区議会の皆さまのお力添えのもと人口回復に大きな成果を挙げることができましたのは、本区として大いに誇りとするところであります。
 「人集まらずして繁栄なし」。人口は都市の根幹であり活力の源です。このにぎわいを確実に地域に定着させ、子どもから高齢者まですべての区民が都心の豊かな居住環境を満喫しながら、地域や事業者の方々と一丸となって明るい未来を描くことができる「魅力的なまち」中央区として、これからもあり続けることが私の願いであります。
 くしくも、私の区長としての歩みは、「平成」の時代とともにありました。バブル景気終焉後から続いた経済不況は、商工業のまち中央区にも大きな影を落とし、景気対策融資や緊急経済対策などあらゆる手を尽くして、中小企業をはじめとする区内事業所の支援に力を注いでまいりました。築地市場(外部サイトへリンク)が現地での再整備から移転となったことは誠に残念なことではありましたが、これまで築地で培われた食のまちの魅力を維持し発展させることが区に課せられた使命であると肝に銘じ、「築地ブランドは永遠である」という確信のもとに食文化継承の核として整備したのが「築地魚河岸」であります。また、阪神・淡路大震災、東日本大震災など甚大な災害を教訓に、学校などを中心とした防災拠点の充実など、地域とともに災害に強いまちづくりを進めてまいりました。さらに、介護保険や子ども・子育て支援など、社会保障制度の枠組みが変わる中で、特別養護老人ホームや保育所などの整備、高齢者や子育て世帯への支援体制の構築など、誰もが住んで良かったと思えるよう、区民福祉の向上に全力を尽くしてまいりました。
 この間、時代の変遷にあわせて基本構想を二度にわたり策定するとともに、具体的な施策や取組内容を示す基本計画を策定し、区議会のご協力をいただきながら、区の総力を挙げて施策の実現にまい進し活力ある地域社会に結び付けられましたことは、大いなる喜びであります。
 昨年12月、天皇陛下は、在位中最後となる誕生日前の会見において「平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵しています」と平和への思いを述べられました。私もその思いを同じくするものであります。平和ほど崇高なものはありません。世界の恒久平和の確立は人類繁栄の礎であり、世界の人々の切なる願いであります。私は、区長就任の翌年「中央区平和都市宣言」を行い、平和をあらゆる施策の根幹に据えてまいりました。
 来年は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。大会の中心となる選手村を擁する本区では、大会の理念を「平和」と位置付け、世界恒久平和のメッセージを全世界に向けて力強く発信していかなければなりません。平成から新しい時代への架け橋として、この平和の理念が受け継がれていくことを切に願うところであります。
 今日まで区長として、歴史と伝統を有する中央区政にその足跡を残し得た光栄に、深い感慨を覚えるとともに、感謝の念を禁じ得ません。
 世界一の都市を目指す東京都の牽引役として、そして中央区のさらなる発展に向けて、その礎を築き得たとするならば、それはひとえに区議会ならびに区民皆さまの深いご理解と温かいご支援、ご協力のたまものにほかなりません。
 ここに、区長としての32年間にわたる区政運営に対し、区議会をはじめ区民皆さま方から賜りましたご支援とご協力に深甚なる謝意を表する次第であります。
 残された区長としての任期を全うすべく、引き続き全力で取り組んでまいる所存であります。何卒、最後まで皆さま方のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 伝統ある中央区の悠久の発展を衷心より祈念し、所信の表明といたします。

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以下 奥付けです。

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