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区のおしらせ 中央
平成31年2月21日号

区内の文化財

常盤橋擬宝珠

区民有形文化財 歴史資料 明石町12番1号 郷土天文館

常盤橋擬宝珠
▲常盤橋擬宝珠

平成23年(2011)に発生した東日本大震災から間もなく8年が経ちます。中央区内には、この時の地震で損傷を受けた文化財の修復工事が継続されているものもあります。中でも、国指定旧跡の城門跡「常盤橋門跡」と旧跡地(千代田区大手町二丁目から日本橋本石町二丁目)に架かる「常磐橋」の大規模な復旧工事はご存知の方も多いのではないでしょうか。
現在の日本橋川には「ときわばし」と称する3つの橋(上流から新常盤橋〈昭和63年改架〉・常磐橋〈明治10年改架〉・常盤橋〈大正15年架橋〉)が並んで架橋されています。現在修復工事を進めている常盤橋は、3橋の中程に位置する石造二連アーチ橋で、都内に現存する石造橋(車両が通らない歩行者専用橋も含む)のうちで最も古い橋となっています。なお、解体修復工事の調査結果によると、明治10年(1877)に改架された石造・常磐橋の内部からは、江戸時代の木造・常盤橋時代の橋台石垣や木製橋脚が発見されました。
江戸時代の当該地には、江戸城大手門に通じる枡形形式の外郭門・常盤橋門とこの城門に架かる木造の常盤橋が架けられていました。そしてこの常盤橋から浅草橋門に続く本町通り(現在の常磐橋から日本銀行の敷地を抜けて、日本橋本町二丁目と同三丁目間の通り、大伝馬本町通り、横山町大通りに続く通り)は街道交通の要所でもありました。
現在、中央区では江戸時代初期に架橋された木造・常盤橋の擬宝珠(2基)を保存しています。形状は宝珠形の頭部・宝珠を受ける珠台(くびれ部分)・円筒形の胴部からなる青銅製の装飾金具で、欄干の柱頭部に被せて用いたものです。実際には、柱木口の腐食防止と装飾のみならず、公儀橋(幕府による普請・維持管理の御入用橋)としての格式や権威の表象という意味合いもありました。2基の擬宝珠は、それぞれ高さ約75cm・胴部直径約37cmと大きなもので、胴回りには「明暦四戊戌年 三月吉日 常盤橋 鋳物御大工 椎名兵庫頭吉綱」の陰刻銘が施されています。これらの刻銘から、幕府の御用鋳物師を務めた椎名家2代吉綱が鋳造した常盤橋の擬宝珠(明暦3年〈1657〉大火の翌年に鋳造)であることが読み取れます。当該資料には、この他にも追刻(文化3年および人名)や転用時の加工痕がみられるなど、360年以上の歴史を経て現存する貴重な文化財となっています。

中央区総括文化財調査指導員
増山一成

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