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区のおしらせ 中央
平成31年2月11日号

ふれあい広場

手話から広がる未来への取り組み

佐野和子さん
▲佐野和子さん

講演会の壇上や政見放送などで活動する手話通訳者を見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。今回は、中央区の意思疎通支援事業の一つである手話通訳者派遣制度に第1号として登録し、区内のイベントや講演会で積極的に活動している佐野和子さんにお話を伺いました。
佐野さんが手話と出会ったのは中学生のときでした。学校からの帰り道に立ち寄った教会で手話を使っている人たちの手の動きがあまりに速いことにとても驚いたそうです。その場で手話を体験した佐野さんは「手」と「表情」だけでコミュニケーションを取ることができる素晴らしさに魅了され、手話の習得を志します。最初は聴覚障害のある方が実際に使っている手話を見ながら簡単なあいさつなどを覚えたそうですが、手の動きが複雑で難しい手話となると独学では追いつかず講習会や講座などに積極的に参加して勉強しました。その後はさまざまなイベントや講演会でお手伝いするなど活躍の場を広げていき、手話通訳の技術を磨いていきました。
活動を始めた当初は緊張して途中に手が止まってしまうことが多くあったそうです。話す人のスピードに合わせて通訳を行うため、一度流れが途切れてしまうと修正が難しいということもあり、当時は何度も悔しい思いをしていました。「今振り返るとあの悔しさがあったから活動を続けることができているのかもしれません」と教えてくれました。
手話通訳はイベントや講演会などの場だけでなくさまざまな場面で求められています。例えば病院に救急で運び込まれた患者やその家族が聴覚障害のある方であった場合、医師とのコミュニケーションの仲介をする必要があるため深夜や早朝などの時間帯であっても通訳の依頼が入ることがあります。時には子どもたちが寝ている間に一人で家を出るようなこともあったそうですが、「家族の理解と協力があってこそ活動を続けることができています。寂しい思いをさせたこともありましたが、いつも快く送り出してくれた家族には感謝の気持ちでいっぱいです」と優しい笑顔を見せてくれました。
佐野さんは「手話はサインではなく、心と心をつなぐもの」ということを常に心掛けて活動しているそうです。「情報を正確に伝えられずに聴覚障害のある方が困ってしまったということがあり、単に通訳を行うのではなく相手の気持ちに寄り添うことの大切さを知りました。音声言語を使わないコミュニケーションであるからこそ正確に情報が届くようにという強い思いを手に込めています」と教えてくれました。さらに頻繁に通訳をする方と仲良くなって交流が続くこともあり、こうした心と心のつながりによって手話でのコミュニケーションがよりスムーズになることを実感しているそうです。
また、将来を担う子どもたちへの手話指導にも力を入れており、手話を知ってもらうきっかけづくりとして幼稚園や小学校で手話教室を開催しています。幼稚園では子どもたちが親しみを持てるように、童謡に手話を乗せて歌うといった工夫をしています。「子どもたちのきらきらした笑顔から元気をもらっています」と語る佐野さん。簡単な手話を覚えて教室を楽しみにしている子どもたちも多いそうで、日々の活動の原動力になっています。
最後に「障害の有無にかかわらず、互いを認め合うことのできる社会を目指して活動を続けていきたいです。手話をきっかけに、相手の気持ちに寄り添うことのできる子どもたちが一人でも多く育ってくれることを願っています」と今後の目標を語ってくれました。佐野さんの活動が実を結ぶことによってそう遠くない未来、人々の心と心が通じ合う社会が中央区から広がっていくに違いありません。

手話教室の様子
▲手話教室の様子

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以下 奥付けです。

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