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区のおしらせ 中央
平成30年12月1日号

「平成30年度全国中学生人権作文コンテスト東京都大会」
最優秀賞受賞作品紹介

法務省と全国人権擁護委員連合会では、次代を担う中学生が人権の作文を書くことで、人権尊重の大切さや必要性についての理解を深め、豊かな人権感覚を身に付けることを目的に、毎年「全国中学生人権作文コンテスト」を実施しています。本年度の東京都大会では、都内316校から40,780編の応募があり、その中から佃中学校(外部サイトへリンク)3年生の大西美海さんの作品が最優秀賞(東京新聞賞)を受賞されましたので紹介します。

写真:大西美海さん
▲大西美海さん

「障がい者への理解」
佃中学校 大西美海

 私は幼稚園年長から小学一年生までの二年間、イギリスで暮らしていた。それから既に八年が経過している今でも記憶に残っている子供向けテレビ番組がある。この番組はBBC、日本でいうNHKのような公共放送で放送されていたのだが、司会者の女性に片方の腕がなかったのだ。この女性の名前は、ケリー・バーネルといい、生まれながらにして片方の腕がない障害を抱えていた。幼かった私は、片腕のない人を見るのは初めてで、腕がないことに違和感を感じたのを覚えている。当時母にも「どうして彼女は腕が一本しかないの?」と問いかけたらしい。ケリーを障がい者と区別するという感覚はなかったけれど、何かが少し自分と違うと思いながらテレビを見ていたことを思い出す。
 この子供向け番組に障がい者を起用したことに対し、多くの視聴者から苦情が殺到したそうだ。「子供が怖がっているから彼女を司会から外してほしい。」など最初は大変だったそうだ。しかしケリーは義手もつけずに堂々とテレビに出演し続けた。彼女はインタビューで、「このような苦情がきたことには驚いていない。これは私個人の問題ではなく、障がい者が日々直面している差別という実態を明らかにしてて、これが真実だと思う。」と話していた。障害のない自分にとって、意識したことがないことだったが、かえってとても印象に残った。私のように、彼女のテレビ番組を見た子供たちは何か特別なことを感じ、新しい観点を見つけたのではないかと思う。「自分と少し違うけれど、自分とあまり変わらない。」ということを感じたはずだ。彼女の勇気ある行動は、障がい者への理解が深まり、障がい者に対して抵抗がない社会づくりに役立っていると思う。
 BBCでは、ケリーだけではなく、足が不自由なアナウンサーが車椅子で競技するスポーツを紹介し、障害を抱えていても活躍できることを訴えていた。障害と聞くとなんだか暗いイメージを持ってしまいがちだが、スポーツを通じて活発に明るくリポートしているアナウンサーを見て、私はとても好意的に感じた。
 このようにイギリスでは影響力のあるテレビを通して子供の頃から障がい者への壁をなくすように社会が作られていて、障がい者の人権が守られているような気がする。では、果たして日本ではどうなのだろうか。
 私は小学生の時、学校の体験学習で老人ホームを訪問したことがある。そこには障害を抱えているお年寄りもいる一方、とても元気な高齢者もたくさんいた。私はこの体験学習で、いろいろな人との接し方や関わり方を学び、たくさんのことを学んだ気持ちになっていた。
 老人ホームでの体験の数年後、私の祖母が脳梗塞で倒れ、体が動かなくなってしまった。今でもうまく話せず半身不随の状態だ。今までの祖母とは全く違う様子を見て、とてもショックを受けた。老人ホームで学んだ高齢者や障がい者との接し方はあまり役に立たず、一時的な学習と、実際に障害に向き合うことの違いと難しさを痛感している。しかしながら、体験学習をしていなかったらもっと大変だったかもしれないと思うこともある。
 私が経験したイギリスの生活と、祖母が障がい者となった現実を通し、強く感じたことがある。イギリスでは子供の頃から障がい者は他の人と同じように働く姿が印象づけられている。これこそが人権を尊重しているのではないかと思う。しかし日本では障がい者に対し、平等に接しようとする試みはあると思うけれど、一過性に過ぎず、未だ浸透していない気がする。
 今、東京の街を歩いていると、バリアフリーやユニバーサルデザインなど、障がい者が暮らしやすい街づくりが進められていると実感する。このことで、東京に住んでいる人も、障がい者や高齢者など、体の不自由な人々を意識するようになったのではないかと思う。生活の改善という意味では、日本で多くの取り組みが行われていると思うけれど、私はもっとイギリスのように、人の心に訴える取り組みを行うべきだと思う。
 差別や偏見がない社会になるというのは理想的だが、実際は簡単なことではないと思う。しかし、子供の頃から障がい者を区別するのではなく、自分とは違う個性だと意識することが大切だと思う。
 次の世代を担う私たちは、障害を持つ人たちに快適に暮らしてもらえるような街づくりをするだけではなく、意識改革ができるように頑張らなくてはいけないと思う。障がい者でも、そうでない人も、人権は尊重されるべきだと思うし、みんなが平等にそして幸せに暮らせる社会を作ることができるよう、私自身も積極的に行動しそのような社会を創れるように努力したいと思う。

【問い合わせ(申込)先】 
広報課広聴係
電話 03-3546-5222

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