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区のおしらせ 中央
平成30年7月21日号

区内の文化財

日本橋三越本店のパイプオルガン

区民有形文化財 歴史資料 日本橋室町一丁目4番1号

日本橋三越本店のパイプオルガン(演奏台)
▲日本橋三越本店のパイプオルガン(演奏台)

日本橋地区には、中央通り沿いを中心に重要文化財の建造物(指定名称「日本橋」「三井本館」「日本銀行」「三越日本橋本店」「高島屋東京店」)が集中しています。このうち日本橋室町一丁目の一街区を占める「三越日本橋本店」は、「高島屋東京店」(日本橋二丁目)とともに、日本の百貨店の歴史を象徴する文化財建造物として高い評価を得ています。
新館と趣を異にする本店は、建物の内外部ともに重厚かつ華麗なデザインが散見されます。1階(北面の出入口が正面)に入ると、中央にはアール・デコ様式の装飾が施された五層吹き抜けの大空間(昭和10年の増築工事で竣工)が広がっています。大理石張りの柱や壁、天井のステンドグラスなども特徴的ですが、2階への大階段中央に立つ高さ10.9mの木造彫刻・天女像(彫刻家の佐藤玄々作、昭和35年設置)に目を奪われることでしょう。
そして、大階段を上った中央ホール2階のバルコニー部分には、昭和4年(1929)製のパイプオルガン(アメリカのルドルフ・ウーリッツァー社〈THE RUDOLPH WURLITZER CO.〉製造)が設置されています(昭和5年の輸入時は7階にあり、昭和10年の増築工事で2階へ移設)。週に4日(水曜・金曜・土曜・日曜)、各日3回(午前10時・正午・午後3時)の演奏時には、建物内部に美しく荘厳なパイプオルガンの調べが響きわたります。このパイプオルガンは、シアターオルガン(無声映画や商業演劇の伴奏用)に類別される鍵盤楽器で、その性質から管楽器(トランペット・チューバ・クラリネット・オーボエなど)や打楽器(シンバル・タンバリン・木琴・太鼓など)、さらには擬音(鳥のさえずり・汽笛音など)装置まで備えられた多機能・多彩な演奏楽器となっています。
なお、外見上は演奏台(高さ126.6cm・幅154.5cm・奥行き84cmのコンソール部)のみ確認できますが、実際にはカーテン奥の舞台裏(間口8.2m)に852本ものパイプが林立し、複数の管楽器・打楽器・擬音装置が設置されています。演奏台にある3段・各61鍵の手鍵盤(マニュアル)と32鍵の足鍵盤(ペダル)、89個の音栓(音色を切り替える装置〈ストップレバー〉)を巧みに操作して奏でる当楽器は、約90年を経た現在も色あせぬ音色を響かせています。

中央区総括文化財調査指導員
増山一成

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