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区のおしらせ 中央
平成30年6月21日号

区内の文化財

明治屋京橋ビル

区指定有形文化財(建造物) 京橋二丁目2番8号

明治屋京橋ビル
▲明治屋京橋ビル

京橋二丁目地区には、平成28年(2016)にグランドオープンした超高層の商業施設(32階建て)が目をひく「京橋エドグラン」があります。中央通り沿いには、新築された低層の再開発棟(向かって左)と保存改修を終えた昭和8年(1933)竣工の歴史的建造物「明治屋京橋ビル」(向かって右)が立ち、新旧2棟のシンメトリー(左右対称)なデザイン構成に特徴があります。
このうち区指定文化財である明治屋京橋ビル(株式会社明治屋の事務所兼店舗)は、建物の地階と地下鉄駅(銀座線京橋駅)とを連絡させて設計・施工した現存最古の民間ビルディングとなっています。鉄骨鉄筋コンクリート造(地上8階・地下2階)の堅牢なこの建物は、戦前期に日本で最大規模かつ最良の設計組織と称されていた曾禰中條建築事務所(建築家の曾禰達蔵〈1852から1937〉と中條精一郎〈1868から1936〉が開設)が手掛けました。当建築事務所では、オフィスビル・銀行・学校・病院・工場をはじめ、華族・財界人の邸宅に至るまで良質で品格のある建物を数多く設計しましたが、残念ながら都内に現存する設計作品(慶応義塾図書館・旧小笠原邸・講談社旧社屋など)はごくわずかです。
明治屋京橋ビルは、建物三方(東・北・南面)がほぼ同じデザインで統一されており、重厚な石造の柱と豊かな装飾がみられる1・2階、縦長の端正な窓が並ぶ3階から6階、装飾的なアーチ窓が並ぶ7階、コーニス(軒蛇腹)で区分された8階、厚みのある特徴的なコーニスを施した最上部で構成されています。外観の特徴は、コーニスによって区分された各層(1・2階、3階から7階、8階の3層)がバランスを取り合いながら洗練された外観を創り出し、全体構成から細部装飾に至るまでイタリア・ルネサンス様式の秀逸なデザインでまとめられている点です。
なお、設計に当った建築家・曾禰達蔵は、イギリスの建築家であるジョサイア・コンドルに学んだ人物で、各所にみられる繊細で華麗な装飾の数々が設計者の広い学識と教養、そして美的センスを備えた専門性をよくあらわしています。こうした建物が東京大空襲や環境の変化を乗り越えて今日まで保存されてきた意義は大きく、昭和史を語り継ぐ貴重な文化財となっています。

中央区総括文化財調査指導員
増山一成

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