中央区の教育を考える懇談会

更新日:2005年9月2日

「中央区の教育を考える懇談会」の報告まとまる

 教育委員会では、平成14年6月に、「中央区の教育を考える懇談会」を設置し、21世紀を展望した中央区の教育のあり方について諮問を行いました。
 同年12月に教育長に対し、中間報告がなされ、その提言を受けて、各種の施策の実現に取り組んできました。
 具体的には、
(1) 到達度診断テストの実施
(2) 少人数指導のための講師の派遣
(3) 中学校と区内高等学校との連携教育の協議組織の設置
(4) 小学校全校への教育相談員の派遣
(5) 休日における学習の広場の開設
(6) 学校・園の完全分煙の実施
(7) 通級指導学級の開設(16年度から)
(8) 幼稚園三歳児保育の本格実施(16年度から)
(9) 中学校自由選択制の導入(16年度から)
などです。
 懇談会では、その後も議論が重ねられ、本年1月30日に報告書がまとめられました。以下報告書の概要を掲載いたしますのでご覧ください。

報告書概要

中央区のこれからの教育のあり方
1 これからの教育と中央区の学校教育
○ これからの教育では、今まで以上に学校・家庭・地域社会がそれぞれの教育機能を十分に発揮して、相互に連携しながら将来を担う子どもたちの教育を推進する必要がある。
○ 学校教育のあり方は特に重要で、保護者や子どもの思いを真摯に受け止め、創意に基づく特色ある学校づくり、開かれた学校づくりを推進していく必要がある。

2 中央区が目指す子ども像
○ 「多様で変化に富んだ時代を希望をもって、主体的、意欲的に生き、将来を創造することのできる子ども」を育成することに努めていくことが重要である。
○ 具体的には次のような子どもを育成しなければならない。
 ・課題や困難等にチャレンジし、自己実現する子ども
 ・自立性や社会性を身につけ、豊かな感性をもつ子ども
 ・地域を愛し、地域の文化や伝統を保存・継承し、地域の発展に努める子ども
 ・広い視野に立ち、世界で活躍できる子ども
3 中央区が目指す特色ある教育
○ 中央区の実態に即した特色ある教育を推進するために、以下の諸点を考慮することが必要である。
 ・生きるために必要な基礎的・基本的な内容の確かな定着
 ・知・情・意・体の調和がとれた人間形成
 ・時代の変化に主体的に対応し、未来を創造する子どもの育成
 ・中央区の歴史と伝統を大切にし、発展に努める
 ・国際的感覚をもち、広い視野に立って強調し、広く社会に貢献する
○ 各学校・幼稚園は、校長・園長のリーダーシップのもとに全教職員の共通理解を図り、特色ある教育づくりを具体化した教育課程の編成・実施に努める必要がある。
○ 「総合的な学習の時間」の充実は、各学校の教育活動全体に大きな効果をもたらすことが期待できる。各学校は、教育目標や育てたい子ども像、特色ある学校づくりとのつながりの中で、「総合的な学習の時間」の教育を実施することが重要である。
4 家庭・地域社会の教育力と学校との連携
○ 家庭や地域社会及び学校がそれぞれに本来の役割や機能を十分に発揮し、緊密に連携することで子どもたちの健やかな成長が期待できる。
○ 教育委員会は、学校、家庭、地域社会のより密接な連携のあり方について検討する必要がある。

5 安全で安心して通える学校
○ 各学校は、日常の指導とさまざまな危機を想定した訓練を通して子どもの危機回避能力の育成に努めるとともに、保護者・関係機関との緊密な連携や協力体制の構築に努めなければならない。
○ 各学校・幼稚園は、防犯教育、安全教育の徹底を図るとともに、家庭では安全教育・指導の徹底、地域社会では保護者や地域住民、商店街等が一体となった子どもたちの安全対策を図る必要がある。
学校教育の充実とより望ましい教育環境づくり
○ 充実した教育が行われるために、物的環境としての施設・設備などを見直し、改善を図って、望ましい学校教育の実現を目指していくことが大切である。
○ 教育に対してさまざまな課題の解決が求められている今日、より一層の人的環境の整備、充実に努めなければならない。
1 課題や困難等にチャレンジし、自己実現する子どもの育成
○ 多様で変化に富んだ時代にあって、どんな困難に直面しても、どのように社会が変化しようとも、主体的にたくましく生きる力をもち、自ら課題を見つけ、自ら解決しながら自己実現していく子ども、さらに、未来を創造していくことが出きる子どもを育てることが強く求められる。
(1) 各学校における指導の充実と教員の指導力の向上
 ・教員の自己研修の積み上げ、長期休業中における研修機会の積極的活用及び全教員
  の研究授業による指導の充実改善
 ・新規採用教員及び指導に悩む教員に対するサポート体制の構築
 ・到達度診断テストの継続実施による指導の改善及び教師の指導力向上
(2) 学力の向上
 ・習熟度別指導、個別指導の充実のための地域ボランティアや非常勤講師の配置
 ・長期休業中や放課後、土曜日など、さまざまな機会や場を活用した学習指導の実施
 ・小学校での交換学習、教科担任制など、教師の専門性を生かした授業形態の実施
(3) 特色ある学校づくりの方策
 ・ゆとりの創出及び学習指導の充実のための「長期休業日の短縮」についての検討
 ・二学期制についての検討の継続
 ・幼稚園児の体験入学や行事交流などによる小学校・幼稚園の連携教育の実践
 ・授業交流、合同行事、教師の研究交流などによる小学校・中学校の連携
 ・地域の企業の協力による中学校の職場体験活動の実施
 ・都立晴海総合高等学校と晴海中学校との相互交流を中心とした連携教育の実践
 ・小規模の小学校における合同による運動会等の行事の実施
 ・組織的な教育活動の推進のための管理職のリーダーシップの一層の発揮
(4) 新たな教育センターの確立
 ・各種教員研修会の継続及び長期休業中の研修や自主研修の実施による教員研修
  センターとしての機能の充実
 ・教育関連図書の充実や開館日・時間の拡充による保護者等も活用できる教育図書館
  センターとしての機能の強化
 ・休日や夜間でも相談ができる教育相談センター相談体制の拡充
 ・適応教室「わくわく21」の施設・設備の拡充及び運営体制の強化

2 自立性や社会性を身に付け、豊かな感性をもつ子どもの育成
○ 子どもたちが、自己実現し、社会生活の向上に向けて努力していくには、豊かな人間性の育成が不可欠である。
(1) 心の教育の充実
 ・あらゆる偏見や差別をなくし、人権尊重の精神を培う教育を推進するための教師自身
  の意識改革及び男女共同参画の精神に基づく男女平等教育の推進
 ・道徳教育の充実、生命尊重教育の推進及び学校、家庭、地域社会全体によるあいさつ
  運動の励行
 ・異年齢児の交流活動、動植物育成の活動など、かかわりを大切にした体験活動の
  積極的な推進
 ・福祉施設訪問、地域清掃など、地域の触れ合いを通したボランティア活動の実施
(2) 心と体の健康づくり
 ・スポーツテストの実施による体力運動能力の客観的把握及び指導計画の改善
 ・授業時間外、クラブ活動、体育的行事における活発な運動遊びの保証
 ・中学校における運動部活動の種目の拡大
 ・禁煙教育の推進、健康教育及びクリーンな環境づくりの実施、薬物乱用防止教室の
  実施
 ・各学校・幼稚園における食の指導計画の策定及び望ましい食習慣などについての
  保護者への積極的啓発
(3) 障害児教育の充実
 ・専門的な個別指導を実施するための通級指導学級の設置
 ・学びやすい環境とするための障害児専用設備等の整備
(4) 幼稚園教育の充実
 ・園児のマナー・規範意識の育成や基本的生活習慣の定着のための指導計画の作成
 ・幼稚園・小学校の連携教育や交流の実施
 ・通園区域、自由選択制の慎重な検討
 ・幼稚園・保育園の交流・連携を図るための、園児交流、教員合同研修の実施
 ・幼稚園・保育園の一体化・一元化の検討
(5) 教育相談の充実
 ・不登校児童・生徒のための保健室の相談機能の充実
 ・個別のケースに応じて機能的に対応できるスクーリング・サポート・ネットワーク等の
  システムの充実
 ・日ごろの教育活動における子どものコミュニケーションの充実

3 地域を愛し、地域の歴史や文化、伝統を保存・継承し、地域の発展に努める子どもの育成
○ 中央区を愛し、誇りに思う心を育成することは、日本の文化を理解する心につながる。
○ 地域の歴史ある伝統文化、産業、地域の方々の教育力を生かし「地域を愛する子ども」「地域の発展に努める子ども」の育成を図らねばならない。
(1) 小学校の通学区域の見直しと自由選択制
 ・小学校の通学区域及び隣接地域での選択制など、具体的制度導入についての継続的
  な検討の必要性
(2) 開かれた学校教育の推進
 ・ホームページやパンフレットなどの利用による学校の情報等の積極的提供及び緊急
  情報伝達のために携帯電話等を活用した情報提供方法の検討
 ・学校評議員の設置による家庭と地域社会との連携の促進及び「外部評価」の導入に
  よる教育活動の一層の改善・充実
 ・「総合的な学習の時間」等における保護者や地域の人々の活用による多様な体験学習
  の展開
 ・休日の公開授業の実施をとおした保護者や地域の人々も学習に参加できる授業の
  工夫
(3) 中学校部活動の充実
 ・高い能力、技能をもつ地域の人々の協力による部活動の充実
 ・自校に希望する部がない場合における他校の部活動への参加

4 広い視野に立ち、世界で活躍できる子どもの育成
○ これからの時代に生きる子どもたちには、「広い視野に立ち、世界で活躍できる資質や能力の育成」が肝要である。
○ 自国の文化を理解した上で、他国の文化をも理解しようとすることが重要であり、話すこと、聞くこと、書くことなどのコミュニケーション能力の育成が必要である。
(1) 歴史と伝統を大切にする教育の推進
 ・「総合的な学習の時間」等における伝統工芸、伝統文化を体験する活動の実施による
  保存、伝承、発展を意図した教育活動の推進
 ・郷土資料館、歴史的建造物等の見学を通した郷土愛を培う教育活動の促進
(2) 国際理解教育の推進
 ・幼稚園児(5歳児)からの外国人講師(ALT)による英会話等体験活動の実施
 ・区内在住・在勤の外国人、留学生との交流を通した国際理解教育の推進
 ・外国での生活経験のある児童・生徒から外国の生活を学ぶ場の設定
 ・海外体験学習訪問先ハイスクールとのインターネットを活用した定期的な交流
 なお各委員からさまざまな意見が述べられた次の課題等については、引き続き検討する必要があるとされています。
(1) 小学校(幼稚園を含む)の通学範囲の見直しと自由選択制の導入
(2) 幼稚園・保育園の一元化・一体化
(3) 学校の二学期制の導入
など、教育委員会では、これらの検討課題を含め、”都心にふさわしい教育改革”を推進するため、平成16年度に、新たな検討組織を設置する予定です。

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