掲載日:2023年6月29日

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中央区青少年問題協議会

青少年の指導・育成などに関する総合的な施策の策定と適切な実施を目的として「地方青少年問題協議会法」に基づき、区条例により区長の付属機関として設置している組織です。
主な活動内容は次のとおりです。

  1. 青少年の指導、育成等に関する総合的な施策を樹立するために、必要となる重要事項を調査審議します。
  2. 青少年の指導、育成等に関する総合的な施策を適切に実施するために、必要となる関係行政機関相互の連絡調整を行います。
  3. 上記1、2に関して、関係行政機関に意見を述べます。

令和5年度中央区青少年健全育成基本方針

趣旨

次代を担う青少年が、心身ともに健康で、社会において信頼と尊敬を得られる豊かな人間性と創造性を備えた人間に成長することは、全ての大人の願いである。そのため、青少年が生き生きと活動できる安全で安心な環境づくりはもとより、教育活動や人との触れ合い、自然体験などを通じて人格を形成し、社会の一員として必要な資質を育めるよう、家庭、学校、地域、行政等が連携し健全育成を推進するための活動指針として、「令和5年度中央区青少年健全育成基本方針」を策定する。

青少年を取り巻く現状と課題

1.家庭

家庭は、子どもたちの人格形成にとって重要な場であるとともに、家族の人間関係を基本としながら社会人として必要な資質を身に付けていくところである。しかし、核家族化の進展、ライフスタイルや価値観の多様化等に伴い、家族団らんの時間の減少や地域とのつながりが希薄化しており、家庭における日常生活を通した教育が難しくなっている。

さらに、区民の約9割が集合住宅居住者で、共働き世帯も多いことから、隣近所との人間関係が築きにくく、子育て世帯の孤立化による影響が懸念される。

また、児童虐待や子どもの貧困問題などが大きな社会問題になっており、家庭環境や経済状況によって子どもたちの将来が左右されたり、次世代へ連鎖することのないよう、生活支援や社会との交流機会の提供など、必要な環境整備と教育の機会均等を図ることが求められている。

2.学校

区立学校では、子どもたちが希望に満ち、自らの未来を切り拓いていけるよう

  • 思いやりの心、健康な体、強い意志を持つ人
  • すすんで学び、考え、行動する人
  • 人の役に立つことを積極的に行う人

の育成に向け、知・徳・体のバランスのとれた「生きる力」を育むため、地域特性や資源を生かしながら、各学校の創意工夫により学校教育を推進している。

しかしながら、健全育成上の重大な課題である学校におけるいじめや不登校などについては、どの学校にも起こりうるものとの認識に立ち、教育委員会や学校、家庭、地域、関係機関(子ども家庭支援センター、児童相談所、医療機関、警察等をいう。以下同じ。)が緊密な連携を図り、未然防止に努めるとともに、早期発見・早期対応を基本とした取組を講じ、機動性・即時性をもって対応することが重要である。

3.社会環境

青少年を取り巻く社会環境の変化は著しく、特に高度情報化社会の急激な進展は、誰もが利便性を享受できる反面、青少年が人や自然との触れ合いの中で人格形成を図ることや社会性を培うことを難しくしている。青少年の98.5%がインターネットを利用し、その内「スマートフォン」の利用率は81.8%にのぼり、利用の低年齢化、利用時間の長時間化は、一層進行している。それに伴い、有害情報や危険なサイトに繋がりやすいインターネット環境にさらされており、SNS等によるいじめや「自画撮り被害」・誘拐などの犯罪被害に巻き込まれるリスクが高まっている。

こうした社会環境は、青少年の規範意識の希薄化、罪悪感の欠如、自己抑制力やコミュニケーション能力の低下を招くとともに、青少年自身が犯罪の被害者・加害者となることもある。また、振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺で現金を取りに行く「受け子」に青少年が使われるケースも増えており、背景には犯行グループが知識のない「普通の子」に手を伸ばし、青少年が安易にアルバイト感覚で加担させられてしまう実態が報告されている。さらには、深夜徘徊、喫煙、飲酒、薬物の乱用、援助交際、暴力行為などの非行や問題行動を引き起こし、社会的な重大事件に発展する恐れも指摘されている。

令和4年4月1日から、成年年齢が18歳に引き下げられ、家の賃貸やローン、各種契約行為を保護者の承諾を得ずに結ぶことができるなど個人としての裁量が広がったが、それゆえに消費者トラブルに巻き込まれる懸念も生じており、青少年に対する責任ある社会の一員としての意識啓発の必要性はより一層増している。

一方、社会生活を回避し、半年以上にわたって家庭にとどまり続けるひきこもりが、社会的な問題となっている。ひきこもりの実態は表面化されにくく長期化が懸念されており、早期発見と長期化防止のために、医療・福祉機関やNPOなどの民間組織との連携を強化していく必要がある。

また、これまで新型コロナウイルス感染症による活動制限は長く続いたが、その中においても家庭、学校、地域等での感染対策の徹底や行事における創意工夫のもと、子どもたちは成長し、置かれた環境の中で精一杯、日常を楽しんでいる姿があった。そして今般、新型コロナウイルス感染症は感染症法上の分類が2類相当から5類へと変更された。これを契機に、これまで制限されていた活動の機会を取り戻すため、全ての大人がより結束を強め一体となり、子どもたちの状況に合わせた取り組みを行っていく必要がある。

4.地域・社会活動

青少年の自立性や社会性を育むためには、さまざまな年齢・立場の人や社会と関わりを持ち、自己と社会についての多様な気づきや発見を経験することが効果的である。このことから、青少年がさまざまな地域活動や社会活動に興味を持ち、参加することは青少年の健全な成長にとって大きな意義がある。人間関係や仲間との協力・連携について学ぶとともに、自己の責任について考えることにより、社会の一員としての自覚を深め人間性豊かに成長する契機となり、ひいては地域のリーダーとしての活躍も期待されるところである。

青少年の社会参加をより一層促進するために、地域の関係団体が積極的に連携して情報提供をするとともに、青少年が進んで地域における自己の役割を果たせるように活動の場と機会を拡大していくことが今後ますます重要である。

重点目標

家庭、学校、地域、行政等が連携・協力のもと青少年の健全育成を推進するため、以下のとおり目標を定める。

  1. 思いやりのある明るく温かい家庭づくりの推進
  2. 学校での健全育成の推進
  3. 地域ぐるみの健全な社会環境づくりの推進
  4. 青少年の社会参加活動の促進

推進施策

1.思いやりのある明るく温かい家庭づくりの推進

親自らが家庭の果たす役割を理解した上で、養育に関する正しい知識を持ち、家庭と仕事の調和をとるなど、家庭団らんの時間を増やすことに努める。また、地域や学校、関係機関などが青少年を養育する家庭との連携を一層強化することにより、家庭での親の教育力の向上と思いやりのある明るく温かい家庭づくりが進められるよう、次の施策を推進する。

推進施策
  • 家庭教育支援の充実
  • 親子のふれあい推進

2.学校での健全育成の推進

子どもたちが規範意識を身に付け、豊かな心と温かな人間性を育めるよう、学校での人権教育や道徳教育、コミュニケーション能力の向上等にかかる指導体制や相談機能を充実するとともに、心と体の健康づくりを図る。特に、いじめは人間の尊厳を傷つける重大な人権侵害である。いじめを生まない学校づくりを目指し、各学校が家庭や地域、関係機関と組織的に対応できる体制整備を進め、子どもたちが安全に安心して学校生活を送れるよう、次の施策を推進する。

推進施策
  • 人権教育と個性を生かす教育の充実
  • 生活・健康・進路指導の充実
  • 教育相談体制の充実

3.地域ぐるみの健全な社会環境づくりの推進

学校や幼稚園、保育園等における安全対策はもとより、区民の積極的な地域活動への参加・連携により、非行や事件・事故の防止に努めるとともに、社会環境の浄化活動やひきこもり対策など社会的自立に向けた支援に地域ぐるみで取り組むため、次の施策を推進する。

推進施策
  • 非行と事故防止活動
  • 社会環境の浄化活動
  • 学校等の安全対策
  • 社会的自立に向けた支援

4.青少年の社会参加活動の促進

放課後や休日等において、青少年が団体活動やボランティア活動、地域活動を始めとした社会活動へ自発的に参加することは、責任ある社会の一員である自覚につながること、また、文化・スポーツ・自然・レクリエーション活動等多様な体験を通じて、心身の健全な成長が図られることから、次の施策を推進する。

推進施策
  • 青少年指導者の養成
  • 文化及びスポーツ・自然・レクリエーション活動の促進
  • 公共施設の青少年利用の促進

推進方針

子どもたちは、常に大人を見ており、青少年の姿は大人社会の反映でもある。全ての大人が自らの姿勢を見つめ直すとともに、青少年の置かれている状況を正しく理解することが重要であり、家庭、学校、地域など社会全体が一丸となって青少年の健全育成を図るさまざまな活動を推進していくことが必要である。

また、令和5年4月1日から、国において「こども家庭庁」が創設され、常に子どもの最善の利益を第一に考え、子どもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据えていく「こどもまんなか社会」を目指す動きが本格的に始まった。

実施機関・団体はこのような国の動きを、これまで続けてきた子どもたちに向けた様々な活動をさらに推進する好機とし、それぞれの役割と責任のもと、これまで以上に相互の連携協力を深め、令和5年度の重点目標及び推進施策に沿って、各事業計画を効率的・効果的に実施する。

実施機関・団体

中央区、中央区教育委員会、中央警察署、久松警察署、築地警察署、月島警察署、補導連絡会、青少年対策地区委員会、青少年関係諸団体、PTA

薬物乱用防止運動推進のための実施事項

趣旨

覚せい剤、大麻、MDMA(合成麻薬)、危険ドラッグ等の薬物乱用は、私たちの大切な脳や臓器、骨など体全体を破壊し、重大な交通事故や窃盗、強盗などの犯罪行為を引き起こすほか、家庭の崩壊、暴力団や反社会的な組織に引き込まれるなどの要因ともなっている。とりわけ近年、青少年を中心に「ゲートウェー・ドラッグ」とも呼ばれる大麻の乱用の広がりが懸念されている。青少年の大麻乱用の拡大につながる背景として、大麻は、「有害性はない」等の誤った情報が流布され、手軽にインターネットを利用し入手しやすい環境にあることなどが指摘されている。
こうしたことから、予断を許さない深刻な問題として薬物乱用を捉え、乱用することによる弊害の恐ろしさを強く訴えて、すべての区民の意識を高めるとともに、乱用根絶を目的としてこの運動を実施する。

主唱

中央区・中央区青少年問題協議会

実施時期

令和5年4月から令和6年3月まで

重点目標及び実施事項

1.家庭・学校・地域・職場に対する啓発強化と規範意識向上

(1)有害意識の啓発
  • 「区のおしらせ ちゅうおう」等への掲載
  • 薬物乱用防止教室の実施
(2)各警察署及び関係団体への協力要請

関係団体

  • 補導連絡会、青少年対策地区委員会、青少年関係諸団体
  • 生活指導主任連絡会、校外生活指導連絡協議会(区教育委員会指導室を通じて)
  • 学校警察連絡協議会、職場連絡協議会(警察を通じて)
  • 東京都薬物乱用防止推進中央区地区協議会、覚せい剤等乱用防止推進中央区民協議会

2.薬物乱用少年の早期発見と適正指導

(1)地域の点検

薬物を乱用するおそれのある場所(自動車内・公園・神社の境内・空地・ビルの屋上・人気のない場所等)を点検し、必要に応じて立入禁止の措置、棚の修復、鍵の設置を行う。

(2)補導の強化
  • 各警察署による街頭補導を強化する。
  • 各補導連絡会による街頭補導の重点とする。

3.関係業界に対する協力要請

運動推進上の留意事項

青少年の間で流行のおそれがある新たな問題の把握に努める。
注記:薬物について詳しくは、公益財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターホームページ(薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」https://www.dapc.or.jp/(外部サイトへリンク))をご参照ください。

お問い合わせ先

区民部文化・生涯学習課青少年係

〒104-8404 築地一丁目1番1号 本庁舎8階

電話:03-3546-5304

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