中央区民文化財95 日本橋人形町三丁目(第2次)遺跡出土陶磁器・土器(にほんばしにんぎょうちょうさんちょうめ いせきしゅつどとうじき・どき)
更新日:2016年9月1日
区民有形文化財 考古資料 所在地:明石町12番1号 郷土天文館
本資料は、平成20年6月から9月にかけて実施された、日本橋人形町三丁目(第2次)遺跡における発掘調査で出土した「茶屋」に関するとみられる307点の陶磁器・土器です。
本遺跡周辺は、天正18年(1590)に徳川家康が江戸に入府した後に埋め立てられて町人地となったようです。当時は、葺屋町と呼ばれ、寛永11年(1634)に歌舞伎を演じる村山座(後の「市村座」)が創設され、慶安4年(1651)には隣町に中村座が転入してきました。
また、市村座、中村座といった江戸三座以外にも人形浄瑠璃などの芝居小屋が多く建てられ、これらを取り囲むように茶屋をはじめとした多くの商店が軒を連ねるなど、遊興地として大変なにぎわいをみせていました。
本遺跡からは、店の屋号である文字が墨書された多数の陶器碗や、お茶を煮出すための土瓶のほか、献上や贈答に使われた鍋島焼の猪口をはじめ、高級な磁器碗や皿、鉢などの食器が多量に出土しました。これらの遺物は、芝居見学の前後や合間に酒・料理を提供した料亭のような機能を有していた茶屋のものと考えられます。
本資料は、御府内における町人地の発掘調査ではこれまでみられなかったものであり、江戸随一の遊興地であった日本橋人形町周辺のにぎわいや土地利用を示す貴重な考古資料です。
日本橋人形町三丁目(第2次)遺跡出土陶磁器・土器
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