築地市場移転に断固反対する陳情(平成11年12月)
築地市場は、開設以来60有余年に及ぶ長い歴史を重ね、今日まで「都民の台所」として都民の安定的な食生活を支えるとともに、全国規模の拠点として食材の流通に欠かせない施設です。また、築地市場を中心に飲食店が数多く集積し、まちのにぎわいを創出するなど都心商業の活性化に大きく貢献しております。
この築地市場については、これまでの数次にわたる東京都の卸売市場整備計画により、現在地において再整備することが決定されております。ところが、本年11月、本来現在地再整備を協議する「築地市場再整備推進協議会」が協議会内の反対意見を抑え、移転の方向が望ましいとのまとめを行いました。私たちは、この協議会を運営してきた市場当局の姿勢に、疑問を抱くとともに強い憤りを覚えます。
現在地の高い交通利便性こそ「都民の台所」にふさわしい立地であります。都心商業の活性化のためにも残すべきであり、震災時には都民への食糧供給基地として大きな機能を果たします。国や東京都にとって重要な基幹的施設を安易に移転させる経済的影響は計り知れません。そもそも移転整備についての東京都の考えがあいまいであります。すなわち、土地確保の方法、現市場用地の扱い、交通アクセスの見通し、場外市場への対応、移転までの間の現市場の改修・改善計画が明らかにされておりません。また、平成9年に改定したばかりの「豊洲・晴海開発整備計画」では、移転先と目される豊洲に市場を建設する余地はありません。東京都の都合による勝手な計画変更は許されません。このように、移転整備には現在地再整備の困難をはるかに上回る難しさや大きな問題点があります。従って、私たちは、築地市場の移転に断固反対するとともに、現在地再整備を強く主張するものであります。
東京都におかれましては、築地市場の現在地再整備に全力を挙げて取り組むよう強く要望するとともに、速やかに移転の検討を取りやめ、市場内外の移転論をめぐる混乱に終止符を打つよう求めるものであります。
平成11年12月15日
築地市場移転に断固反対する会
東京都知事様
