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区のおしらせ 中央
平成29年7月21日号

区内の文化財

燈臺 北村西望作 銅造彫刻 附 石造台座

区民有形文化財 彫刻 銀座四丁目1番2号 数寄屋橋公園

燈臺 北村西望作 銅造彫刻
▲燈臺 北村西望作 銅造彫刻

日本国内で発生した大規模な自然災害といえば、阪神・淡路大震災(平成7年)・新潟県中越地震(平成16年)・東日本大震災(平成23年)、そして平成28年熊本地震などが記憶に新しいところです。過去30年の間には、地震災害をはじめ大型台風の被害や豪雨災害などが日本各地で頻発しており、防災・減災に向けた取り組みが進められています。
中でも、近代史上最大の自然災害となった関東大震災(大正12年)は、歴史に残る大規模な首都直下型地震として90年以上経過した今も災害教訓の継承が図られています。昭和35年(1960)には、関東大震災が発生した9月1日を「防災の日」に制定し、制定前年の伊勢湾台風(9月26日)による甚大な風水害の教訓も踏まえ、自然災害や防災力の強化を再認識する記念日(昭和57年から防災の日を含む1週間が「防災週間」)となりました。
また、被災地周辺には古今を問わず記念碑などのモニュメントが建立されることが多くあり、災害の実情や教訓を後世に伝える重要な役割を果たしています。今回は、区内に点在する災害記念碑のうち、数寄屋橋公園(外部サイトへリンク)内に建立された関東大震災10周年記念塔を紹介します。
関東大震災から10年目の昭和8年(1933)9月1日に建立された記念塔は、石造の台座にブロンズ像(像高約1m54cm)が据えられています。台座設計および彫刻制作は、平和祈念像(昭和30年制作・長崎市)の作者でもある彫刻家・北村西望(1884から1987)によるもので、台座正面の銘板には「不意の地震に不断の用意」の陽刻と「西望作」の陰刻銘が施されています。
明治末から美術展覧会に名を連ねてきた北村西望は、躍動感に満ちた力強い造形美の彫刻を制作し、その生涯で数百点に上る作品を残しました(東京都井の頭自然文化園内に多数現存)。記念塔上のブロンズ像は、昭和6年(1931)開催の帝国美術院第12回美術展覧会のために制作・出品(彫塑の部・題名「燈臺」)した芸術的完成度の高い彫刻で、口を大きく開く阿形の獅子を従え、兜をかぶり炬火を掲げて警鐘を鳴らすような青年の像です。この銅造彫刻は、北村が得意とする肉付き豊かで動的なモデリングの造形表現が見て取れるとともに、道行く人々に関東大震災の教訓を伝える象徴的な像となっています。

中央区総括文化財調査指導員増山一成

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