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区のおしらせ 中央
平成29年6月21日号

区内の文化財

聖路加国際病院トイスラー記念館

区民有形文化財 建造物 明石町10番

聖路加国際病院トイスラー記念館
▲聖路加国際病院トイスラー記念館

明石町地区は、明治期に築地外国人居留地(1899年に居留地廃止)が設置された場所です。町内にはカトリック築地教会聖堂やミッションスクールの発祥を記念した石碑が散在しており、現在でもその一端がうかがえます。また、今日では、明治33年(1900)に来日した米国聖公会の宣教医師ルドルフ・B・トイスラーが開院した病院(築地病院、聖路加病院〈1902年〉、聖路加国際病院〈1917年〉と改称)が大きく発展し、居留地時代の面影を彷彿させる存在となっています。
今回の文化財は、聖路加国際大学や聖ルカ礼拝堂などがある街区の一角に立つ建造物です。ヨーロッパの山荘を思わせる特徴的な外観を持つこの建物は、初代院長の名を冠してトイスラー記念館と称されています。この建物は、昭和8年(1933)の創建から平成元年(1989)に至るまで、現在地から約210メートル東の位置(隅田川畔の明石町19番〈現在の明石町8番1号・聖路加タワーの辺り〉)にありましたが、解体保存工事を経て平成10年(1998)に現在の街区中庭へと移築復元されました。
竣工当初は、トイスラー院長に看護教育宣教師として招かれたアリス・C・セントジョン女史の宿舎として使用されていました。戦後は一時的に病院本部として機能したものの、その後は主に職員宿舎や事務所などの用途で使用されてきた歴史ある建物です。
設計技師は、旧病院棟・聖ルカ礼拝堂の設計に携わったアメリカ人建築家J・V・W・バーガミニィで、施工は清水組(現在の清水建設株式会社)が手掛けています。建物は2階建の小規模な洋風住宅ながら鉄筋コンクリート構造を採用し、移築復元前までは地下にボイラー設備を有するなど、耐震性と機能性を備えた住宅建築となっていました。
外観のデザインは、化粧柱・梁などを配したハーフティンバー(木造建築で柱・梁・筋違いなどを骨組として外部に見せ、壁面を石材・土壁などで埋める様式)風の意匠が目に留まります。また、室内意匠(チューダー・ゴシック風)は、重厚感のある木材で仕上げられた1階ホールやリビングの暖炉、優美な曲線を描く階段の手摺りなどが復元されており、気品あふれる内装にも特徴があります。

中央区総括文化財調査指導員
増山一成

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