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区のおしらせ 中央
平成29年3月21日号

区内の文化財

海幸橋の親柱 附 橋梁竣工図面

区民有形文化財 建造物 築地五丁目および六丁目(旧海幸橋橋詰)

写真:海幸橋の親柱(鋼鉄製)
▲海幸橋の親柱(鋼鉄製)

東京都中央卸売市場築地市場を中心に、国立がん研究センター・東京国税局・朝日新聞東京本社などがある築地五丁目は、隅田川と築地川(旧浜離宮庭園前の掘割)に面する地区です。かつては、新橋演舞場の横を走る首都高速都心環状線の場所にも築地川(采女橋から千代橋を通って旧浜離宮庭園前に至る掘割)が流れ、さらに築地川采女橋公園から隅田川へと注ぐ築地川東支川(築地場外市場〈築地四丁目〉と場内市場〈築地五丁目〉間の掘割)も流れていました。なお、築地川東支川の埋め立て工事は、昭和53年(築地保育園・築地社会教育会館・市場橋公園および駐車場のエリア)、平成7年(市場橋から海幸橋までのエリア)、平成10年(海幸橋から下流部分)と段階的に進められて現在に至っています。
今回の文化財は、築地川東支川に架けられていた海幸橋の親柱と竣工図面(14葉)です。築地六丁目の波除稲荷神社前から築地場内市場へ入るゲート橋であった海幸橋は、関東大震災後の復興事業で創架された近代橋梁の一つでした。震災で被災した日本橋魚市場の築地移転(昭和10年開場)に先立ち、東京市道路局の技師らが大正14年(1925)に設計を行い、昭和2年(1927)に株式会社横河橋梁製作所(現在の株式会社横河ブリッジ)の施工で完成しています。なお、築地場内市場の入口に位置するこの橋は、海産物にちなんだ ”海幸” を冠した名称が付けられました。
太い桁を主構造とする鋼桁橋の海幸橋は、細く滑らかな曲線のアーチ(補強部材)が特徴的な下路ランガー橋(橋長27.5m・幅員15m)でしたが、平成14年(2002)に4基の親柱を現地に残して本体は撤去(橋梁のヒンジ部と部材の一部は日本大学理工学部船橋キャンパス内に保存)されました。現地保存の親柱は、材質(鋼鉄製2基・御影石製2基)やデザイン(鋼鉄製はアムステルダム派のデザイン・御影石製の角柱は面取りした面を正面にして配置)が異なるだけではなく、向かって左に鋼鉄製親柱、右に石造親柱を配置し、これらを点対称に配置する工夫も見られます。特に、鉄材を効果的に用いた鋼鉄製の親柱は、有機的な曲線で構成される国内でも珍しいデザインの親柱となっています。

中央区総括文化財調査指導員
増山一成

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