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区のおしらせ 中央
平成29年2月21日号

区内の文化財

住吉神社神輿

区民有形民俗文化財 佃一丁目1番14号 住吉神社

住吉神社神輿
▲住吉神社神輿

日本各地で催される”祭り”と称する行事(儀式)には、時期・場所・目的・対象・組織・形態などが異なり、実に多種多様なものがあります。
今日においては、祭礼に伴う(あるいは関係なく行われる)にぎやかな催事や興行のみに関心が向きがちですが、本来は神霊を奉祀する神事(神霊をよび迎えて供献侍坐し、饗応歓待をもって慰め和ませる行為)が主体であって、ここから競技や演技、歌謡や舞踊、そして芸能へと展開するものが祭り(祭礼)であったわけです。
さて、日本の伝統的な祭礼において最も象徴的な用具と言えば、移動式の神座たる「神輿」と「山車(作り山・柱・笠鉾・人形などを飾った屋台)」があげられます。これらは招請された神霊が一時的に祭場を離れて氏子地域を往来する神幸で用いられる一種の乗り物です。
神輿の多くは木製黒漆塗りで、四角・六角・八角・お宮造りなどの形状があります。基本的な構造は、屋根・胴・台輪(神輿最下部の土台)の三部分で構成されており、屋根中央に据えられた鳳凰(または宝珠・葱花)や屋根野筋の先端に蕨手が付き、台輪には2本の棒を縦に貫いて轅とするのが通常です。
正保3年(1646)の創建以来、佃地区(現在は月島地域全体)の産土神として信仰されてきた住吉神社には、江戸時代後期の神社神輿が伝来しています。この神輿は、例祭での御霊遷し神事後に氏子地域を巡幸する宮神輿(現在は平成23年製作の宮神輿が巡幸)として、170年以上にわたって用いられてきました。住吉神社文書の「御神輿仕様書」(天保9年〈1838〉)によると、同年5月に大仏師・万屋利兵衛(大門通り〈増上寺表門通り〉角)製作の「八角神輿壱社(一基)」が納められた記録が確認できます。
現存する宮神輿は仕様書通りの八角形造で、頂上の露盤に鳳凰を据え、屋根は八面とも住吉神社の三ツ星紋、野筋先端の蕨手には燕と風鐸飾りがあります。中心部の胴回りには朱漆塗りの鳥居・囲垣・勾欄と豪華な5段の羅網瓔珞(網目状の装飾)を配し、唐獅子(木鼻)・龍(欄間)・波に千鳥(蹴込み)といった優美で繊細な縁起物の彫刻も施されています。重厚な八角形の台輪にも特徴があり、技術の粋を集めて製作された豪華な宮神輿となっています。

中央区総括文化財調査指導員
増山一成

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