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区のおしらせ 中央
平成27年8月21日号

区内の文化財

魚河岸水神社加茂能人形山車巡行模型

区民有形文化財 工芸品 明石町12番1号 郷土天文館
魚河岸水神社加茂能人形山車巡行模型
▲魚河岸水神社加茂能人形山車巡行模型

江戸時代初期に開設された日本橋魚市場は、大正12年(1923)の関東大震災が契機となり、昭和10年(1930)に築地の地へと移転して新たに業務を開始しました。以来85年にわたって生鮮食料品の卸売を行ってきた築地市場(外部サイトへリンク)(中央卸売市場築地市場(外部サイトへリンク))ですが、現在は豊洲地区への移転・新市場開場(平成28年11月予定)に向けて準備が進められているところです。
築地場内市場の敷地には、日本橋からの市場移転に際して建立された「魚河岸水神社」(神田神社境内に祭られている「水神社」の遥拝所)があります。また、魚河岸会ではかつての水神祭で曳き出された江戸型山車「加茂能人形山車」(昭和30年に復元)を所有しています。七メートルを超える復元の山車は以前紹介(平成23年8月号)しましたが、今回は復元の雛形となった精巧な模型です。
現存する小型の山車模型は、明治期に日本橋魚河岸の蒲鉾屋「駒作」から依頼を受けた人形師・三代原舟月(店は日本橋区本石町)が腕によりをかけて制作した作品です。作品を見ると、江戸時代は山王祭(山王権現祭礼)の番組行列十番、明治・大正期には神田神社の水神社祭礼で曳き出された山車の様子が忠実に再現されていることがわかります。
10分の1スケールの当模型は、山車本体の三層構造(二段上下可変式)や意匠に入念な細工が施され、曳き廻しに関わる人びとの微妙な動きや表情を丹念に表現しています。山車上段には、赤頭と唐冠をかぶり、大飛出の面を付けた「別雷神」(京都・賀茂別雷神社〈上賀茂神社〉の祭神で、能楽「加茂」の後ジテに登場)の人形が立ちます。別雷神の鮮やかな金襴狩衣や袴もさることながら、二層目の四方幕には緋羅紗地に競馬と楓の精緻な刺繍、三層目の見送り幕には流水・二葉葵などの見事な紋様が織り出されています。
また、山車の前方に乗って鉦・太鼓・笛を奏でる囃子方(6体)、山車を曳く躍動感のある木彫りの牛(3頭)と牛方(3体)、先導する快活な世話役の面々(13体)など、揃いの祭り装束に身を包んで巡行する姿には迫真感があります。
当資料は、江戸・明治期の祭礼の様子をつぶさに伝える希少な模型作品であるとともに、区内ゆかりの名匠が手掛けた近代の優れた工芸品です。

中央区総括文化財調査指導員
増山一成

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