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区のおしらせ 中央
平成26年12月21日号

区内文化財

霊岸島検潮所・量水標跡

区民史跡 新川二丁目32番1号先

写真 霊岸島検潮所・量水標跡
▲霊岸島検潮所・量水標跡

物事の価値や程度、あるいは機能などの標準レベルは「水準」という言葉で表されます。原義的には、「水」を使って物(土地)の高さが水平(一定の標準)であるかを測ることからきています。大部分が埋立地である中央区域は低地が多いと言われますが、こうした土地の高低を比較・判定する基準も、実は水位がよりどころになっています。
現在の日本水準原点(標高決定の基準)は、国会議事堂前の洋式庭園にある「日本水準原点標庫」の内部に設置されています。これは、明治24年(1891)に当時の測量事業を担っていた参謀本部陸地測量部の庭園に創設したもので、地下約10mのコンクリート基礎上に原点標石を置き、側面に零位を示す水晶目盛板が埋め込まれました。そして、目盛板の零位を標高(海抜)水準と定め(当初は「24.5000m」、関東大震災後は「24.4140m」、現在は東北地方太平洋沖地震の地殻変動により「24.3900m」)、現在も「測量法施行令」に基づいてこの水準原点を基準に測地測量が実施されています。
日本水準原点の水晶目盛板が示す標高は、明治6年(1873)6月から明治12年(1879)12月(4カ月の欠測を除く、6年3カ月)に観測した「霊岸島量水標」における平均潮位の基本水準面(1.1344m)が基になっています。この水準面を霊岸島量水標零位「A.P.」(Arakawa Peilの略〈オランダ語で荒川水準面の意味〉)として、東京湾平均海面(東京湾中等潮位)「T.P.」(Tokyo Peilの略〈A.P.+1.1344mをT.P.0mとする〉)が定められ、これを基に測量決定されたのが「日本の水準原点」です。
明治初期に行われた霊岸島の潮位観測結果は、量水標近傍の水準標石(内務省地理局設置の霊岸島旧点)に、横棒が標高を示す「不」の字形の「几号水準点」(イギリス式水準点で石柱・道標・灯籠・鳥居などの不朽物に刻印)として付されました。その後、測量事業は参謀本部(ドイツ式測量)へ移管され、明治24年に霊岸島新点「交無号」(水準路線の交差点と0号の意味)が設置されました。当該地には、霊岸島旧点や旧量水標は現存していませんが、旧検潮所の位置にはシンボル的な観測柱が設置され、三角形フレームが特徴の新しい水位観測所では荒川水系のデータ観測が続けられています。なお、中央大橋に程近い場所には一等水準点「交無号」(昭和5年)が移設されています。

中央区総括文化財調査指導員
増山 一成

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