中央区ホームページ
広報紙「区のおしらせ 中央」へ戻る  この号の目次へ戻る

本文ここから
区のおしらせ 中央
平成26年5月21日号

区内文化財

小津家文書

区民有形文化財 古文書
日本橋本町三丁目6番2号 株式会社小津商店



小津家文書
小津家文書

江戸屈指の目抜き通りであった本町通り(現在の日本橋本石町・日本橋室町・日本橋本町各二・三丁目間から大伝馬町へ抜ける通り〈道路愛称「大伝馬本町通り」〉)は、日本橋南の通町(現在の日本橋一から三丁目間を南北に通る中央通り沿いの町)筋とともに、大店が表通りに軒を連ねる一大商業地でした。本町通りや通町筋の繁華街を描いた江戸時代の浮世絵をみると、袖や庇の看板、屋号を染め抜いた軒先の日除け暖簾とともに、畳敷の広々とした店舗や商品貯蔵用の土蔵なども描かれており、当時の繁栄の有り様が感じ取れます。
こうした江戸の都市景観を創り出していたのは、軒並み他国に本店・主家がある商人(商家)の出店(支店)で、その多くは伊勢・近江・京都などの上方に本拠がありました。特にこれらの上方を基盤とする出店(江戸店)は、「伊勢店」(木綿・紙・荒物・水油・茶などの問屋)、「近江店」(畳表・蚊帳・呉服・木綿・麻・繰綿などの繊維問屋)、「江戸店持京商人」(呉服・太物などの繊維関係や小間物・文具・雛人形などの諸工芸品)と呼ばれ、江戸店持ちの商家を代表する存在でした。
千数百点の古文書を所蔵する株式会社小津商店は、江戸時代初期、金座・枡座をはじめ豪商が軒を連ねる本町通り沿いの大伝馬町一丁目角地(現在地)で創業しました。承応2年(1653)、伊勢国松坂(現在の三重県松阪市)出身の小津清左衛門長弘が紙商として店を構えて以来、繰綿や鰹節なども扱う多角経営を取り入れ、典型的な伊勢店として紙商番付や長者番付にも掲載される江戸屈指の大店となりました。
小津家文書は、江戸店に伝来した江戸時代から明治期397点(雇用関係・貸借関係・土地屋敷関係の文書が中心)と伊勢国松坂の小津本家伝来の戦国期から昭和期850点(江戸店との往復書簡・舟運関係・経営関係文書が中心)からなる商業関係の文書群です。近世文書からは、江戸店での経営・雇用慣行・商圏の実態や松坂本家の指導・施策による江戸店の経営形態など、伊勢商人の商法をうかがい知ることができます。また、近代文書には、商店から会社組織への移行時期の記録が多く残されており、明治期以降の経営状況の変容が読み取れるなど、本区における江戸・明治の商業・経済史料として貴重な文書です。

中央区総括文化財調査指導員
増山 一成

本文ここまで

以下 奥付けです。

Copyright (c) Chuo City. All rights reserved.