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区のおしらせ 中央
平成26年2月21日号

区内文化財

木板金地着色蘆鷺図額

区民有形文化財 絵画 佃一丁目1番14号 住吉神社

木板金地着色蘆鷺図額の写真

木板金地着色蘆鷺図額

歴史的・芸術的な価値の高い有形の文化財は、建造物以外のものを総称して「美術工芸品」と呼ばれています。なかでも、絵画や工芸品などの名称は、普段なじみのない用語で表現されているため、タイトルからは想像しにくいかもしれません。
一見すると複雑な漢字が並んでいる名称ですが、実は一定のルールに基づいてモノの特徴を表す情報が示されています。今回の文化財では、(1)用いた素材(2)彩色などの技法(3)テーマと形態といった一般的な用語順に名付けられています。つまり、木製の板を支持体として(「木板」)、地に金箔を押して着色した(「金地着色」)、蘆と鷺を描いた額入り図(「蘆鷺図額」)という名称です。
佃一丁目の住吉神社幣殿内にある当図額は、「板絵着色蘭陵王図額」(昨年6月に紹介)と向かい合うように掲げられています。縦83センチメートル・横118.5センチメートルの画面は、5枚の桐材を板矧ぎ(数枚の板の側面をつなぎ合わせた幅広の一枚板)したもので、作品は黒漆塗りの額縁に収められています。
金箔を押した桐板画面には、蘆が生えた水辺に集う7羽の鷺が生き生きと描かれています。高く伸びた先に淡い褐色の小穂をつけた数本の蘆、群青色の流水線で表現された餌をついばむ水中の鷺の動きなど、嫋やかで凛とした雰囲気が漂ってきます。また、画面右から斜めに描かれた緑青色の土手や左上方から首をS字に曲げながら大きく羽を広げて飛来する鷺の表現など、洒脱かつ大胆なタッチです。
作者は、画面右下に押された朱文方印「是真」の落款から、日本画家・漆芸家の柴田是真(1807から1891)であることが確認できます。是真は、橘町二丁目(現在の東日本橋三丁目)の宮彫師・柴田市五郎の子として生まれ、幕末から明治期にかけて蒔絵・漆絵・日本画と多方面で活躍した人物です。
当図額は、住吉神社第九代・平岡好国宮司が親交のあった是真から贈られたものといわれています。作品を眺めてみると、蘆が多く自生していた往時の佃島を思わせる景色や住吉神社の神紋「鷺」のモチーフなど、当神社との関わりが読み取れる貴重な作品です。

中央区主任文化財調査指導員 増山一成

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