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区のおしらせ 中央
平成26年1月1日号

スポーツを通じて、未来を担う「人」を育てる

山本 剣道はどちらかと言うと個人の格闘技なんですね。選手になったり活躍したりする人はごく一握りで、試合に一度も出ないで過ごす人もいるわけです。その人たちのモチベーションって一体何だったのだろうと考えたときに、ある先輩が、「選手になった人と稽古をやったことがあるだろう。選手の小手なり、面なりを君は一度でも打ったことがあるのに違いない。それが肥やしになって、選手になった人間は表舞台で活躍することができた。そのときの君の打った小手は極めて重要な意味をもっているんだよ。だから君は選手じゃないけれど、その人を選手にした極めて大きな価値をもっている。そのことを誇りに思いなさい」と言われたのですが、まさにそういうことだと思うのです。
 表舞台で活躍することは全体のイメージをリードするためにはすごく重要ですが、日本全体がパワフルになっていくには、そうじゃない人にもスポーツを通じて前向きになれる気持ちを引き出すにはどうしたらよいか、よい思い出を残してやるために何ができるか、ということも併せて考えていかないと、本当のスポーツ大国にはならないという気がしています。

有森 「6年後のオリンピック」とよく言われていますよね。私が最初のオリンピックに出場したのは25歳のときでした。その6年前はどうだったか。誰の目にもとまらない選手でした(笑)。ですから私の経験からも、入る場所、出会う人によって変わっていけるし、どうにでもなれるということです。長い目で教育していくことが大切だと思います。
 私は今、「キッズキャンプ」というものを、小学校1年生から6年生を対象に、3泊4日の宿泊型で行っています。競技をやりたい、やりたくないを問わず、毎年さまざまな競技の講師をお招きして、プロから本物の競技を学ぶのです。このプログラムの一番の狙いは、スポーツを通して「生きる力」を教えることです。
 先ほどから話に出ている教育現場ですが、私は、問題なのは教育現場に来る前の家庭だと思っています。キッズキャンプに参加する子どもの親の中にもスポーツだけではなく、マナーの教育も期待される方がいますが、人を育てる場はまず家庭であるべきです。
 そうした土台があってはじめて、人を育て、可能性を発掘する、スポーツの真の力が発揮されるのだと思います。

安藤 指導の重要ポイントに「動機付け」というのがあります。動機付けには、外発的動機付けと内発的動機付けがあります。 外発的動機付けというのは、報酬をもとにやる。プロスポーツがわかりやすいですね、お金のためにやっています。他にも報酬はいろいろあって、先輩からよく思われたいとか、指導者からよく思われたい、好きな女の子の気を引きたい、これらが外発的動機付けです。
 それよりもよいと言われるのが内発的動機付けで、自分が好きでやっているものです。子どもたちに、スポーツをやると楽しいと同時に自信を持たせてあげることが大切です。自信を持つと、前向きに取り組む気持ちが生まれます。最後にスポーツを通して、よき社会人になれるよう指導していきたいです。

ゼッターランド 私が競技生活を送ってきた中で、今も心に深く残っているのが、アメリカのナショナルチームの監督に言われた「バレーボールは人生の一部なんだよ」というひとことです。ナショナルチームでこれから金メダルを目指す、結果が全てを問われるレベルに来たのに、「人生の一部」と言われて、私の考えが大きく変わりました。「勝敗以上に、スポーツを通じて人生の何のプラスとするか、スポーツをすることで何を学ぶか、勝敗以上に大事なことがある。君たちはトップの自国を代表する選手なのだから、特に子どもたちにとって模範にならなければいけない、その義務と責任がある」と言われたのです。
 そのことで改めてスポーツの中にあるもの、学んでいくべきもの、伝えていく必要のあるものを学びました。
 学ぶべきこととは、最終的に競技者をやめても生きていく上で必ず必要な「人間力」です。スポーツを通じて、人を育てていく上で、スポーツをやめてもこれが人として生きていく上で必要なことなんだとしっかりと伝えて、よい将来につながる人を育てていきたいと強く思っています。

百瀬 私は夏休みになりますと、中央区のぜんそくの子どもたちを連れて、3日間キャンプに行くのですが、なかなか大変です。やんちゃ坊主が多いので、きつく叱る場面もあり、子どもたちからは恐い先生と思われているようです。
 そんな中で、私が叱った子どもが次にキャンプに参加してきた時、人が変わったようにちゃんと行動できるようになっていたのに驚いたことがあります。「どうした?」と聞いたら、「先生の言うことがわかった。ぼくが悪かった」と言ってくれたのです。ああ、私の気持ちは伝わっていたんだとものすごく感動しました。
 熱意を持って接すれば、子どもたちにもきっと伝わります。これからも、しっかりとした人間を育てられるよう、スポーツを通しての教育に力を注いでいきたいと思います。

区長 スポーツは本当に素晴らしいですね。いろいろな教育的効果があります。「教育の中央区」を標榜する中で、生涯スポーツ、生涯教育、これをどんどんこれからもしっかりと充実させていかなくてはなりません。
 まず大きな目標として2020年東京オリンピック・パラリンピックがあるわけですが、それだけではなく大切なことは大会が閉幕した後の社会全体のことをも見据えて対応していくということでありましょう。
 本日は大変貴重なお話をいただき、ありがとうございました。実体験、経験から生まれたお話ですから非常に説得力があり、ためになりました。誠にありがとうございました。

2020オリンピック・パラリンピックの開催都市決定 パブリックビューイング(晴海地区)の様子
2020オリンピック・パラリンピックの開催都市決定
パブリックビューイング(晴海地区)

区立中央小学校屋上校庭の様子
区立中央小学校屋上校庭

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以下 奥付けです。

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