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区のおしらせ 中央
平成24年8月21日号

区内文化財

黒駒の獅子頭

区民有形民俗文化財佃一丁目1番14号 住吉神社
8月上旬に行われた佃・住吉神社例大祭は、月島地域を祭り一色に染め上げる盛大なものでした。活気に満ちた氏子衆や群れをなして見物する人々の様は、今も昔も変わらない風情のようです。江戸時代の地誌『江戸名所図会』「住吉明神社」のくだりにも「例祭ハ毎歳六月廿八(にじゅうはち)日廿九(にじゅうく)日両日なり 人々群集す」と紹介され、著者である斎藤月岑も大祭見物に訪れています。
昔と異なるといえば、明治6年(1873)の改暦(旧暦明治5年12月3日を新暦明治6年1月1日とした)を境に、旧暦(太陰太陽暦)と新暦(太陽暦)とで祭日が変更されている点です。かつては、住吉神社が佃島に創建された6月29日(正保3年)が祭日でしたが、新暦採用後は8月6日となりました。また、期間も旧暦の2日間(6月28日・29日)から明治中期以降は8月6日を含む3日間となり、現在は4日間の日程で執り行われています。
さて、大祭のシンボルの一つである獅子頭には、前回の龍虎に続きもう一つ貴重な獅子頭が伝来しています。地元では黒を基調とした表面の地色から"黒駒"と称されている雌雄一対の獅子頭です。
この獅子頭は、江戸時代から住吉神社大祭で用いられてきたもので、現在は大祭期間中、御仮屋(「黒駒の庭」と呼ばれる)に安置されています。なお、獅子頭は赤色が多く用いられますが、日本各地に伝わる獅子頭には黒色の獅子頭(地域によっては「権現様」と称される)も存在しています。
黒駒の獅子頭は、木製保存箱の蓋に記された墨書銘「文政二年卯歳 六月吉日辰」等から、江戸後期の作と推定されるもので、赤熊の毛が植えられた頭頂部に宝珠を冠する雌獅子と角を持つ雄獅子とがあり、雌雄ともに扁平でやや方形をなした木造の獅子頭です。
表面は黒漆塗りで、唇・鼻孔・瞼・耳の内側には朱漆が施されており、眉毛・顎鬚等の部分には渦を巻いた毛描文様が金泥で表現されています。大きく見開いた両眼と盛り上がった獅子鼻、銀泥塗りの歯をむき出して波打つように開いた口からは、躍動感のある豪快な作風がうかがえます。


黒駒の獅子頭(左 雄獅子・右 雌獅子)

中央区主任文化財調査指導員
増山 一成

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