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B 現在地再整備促進方策

更新日:2005年8月26日

 これまでの現在地再整備の検討の中で、欠けていた、余り触れられなかったと思われる以下の事項について、問題提起として中間のまとめを行った。

1 市場利用の実態の見直し

 現在の市場施設の配置や市場の使用方法については、個々にそれぞれ理由もあり、また経緯もあって今日に至っているものと考えられるが、限られた土地の有効活用を図り再整備のタネ地を確保するという観点から、そのあり方を見直す必要があるのではないか。
1) 市場施設の配置
市場内の施設はいずれも相応の理由・経緯があったものではあると考えるが、限られた敷地を有効活用し、再整備のタネ地を確保するという観点からは、施設の一部については市場外で別途対応することも検討してよいのではないか。その際は、市場本来の機能から順次必要な施設の範囲を精査し、関係団体と十分な協議のうえ、思い切った市場施設の再編成も必要と考える。
2) 市場使用実態
次に市場使用実態について、市場内あるいは市場周辺が築地市場を通さない、あるいは卸売市場そのものを通さない流通の結節点・ターミナルとして使用されていると思われる懸念があるので、これについて問題提起として指摘する。
築地市場に関するテレビ報道の中で、あたかも単なる流通センター的な報道もあり、関係者ヒアリングでも市場の混雑に関連してこうした指摘もあった。築地から出て行く荷には、一般的な小売業者等が仕入れるケースと、市場間転送として他の市場の卸売業者へ向かうものなどいくつかのケースがある。これらの中には築地市場を通さない分、あるいは卸売市場そのものを通さない市場外流通の分もあるものと思われる。過去の経緯はあるとはいえ、市場再整備にあたっては解決すべき問題ではある。
関係者ヒアリングの中では、場内の整理整頓の必要性を指摘する声もあったが、場内場外を問わず現在の市場の使用状況の見直しは、これも市場再整備の論議の中できちんと行われるべきである。市場当局はもとより関係者の意欲的な取り組みが望まれる。

2 高度情報通信技術社会への対応

 生鮮食料品という特性から市場では商物一体が原則とされてきたが、今日例えば、大手商社が青果物の電子商取引に参入するとのことである(日経新聞:平成12年8月12日)。これは、産地農協とスーパーなど小売業をインターネットによって結び、取引を仲介するものである。これまで拡大しつつあった市場外取引に拍車をかけるものであり、極言すれば市場の存在意義が問われているとも言える。
 もちろん、集荷、価格形成・分荷の機能を発揮して消費者に生鮮食料品を安定的に供給するという卸売市場の役割、とりわけ公設市場の役割は今後も必要であるが、時代の変化に適切に対応していかなければならないことも事実である。したがって市場の再整備にあたっては、最近の情報通信技術の進展、これに伴う社会の変化などを見据えて、21世紀高度情報通信技術社会にふさわしい市場の将来像をめざすべきである。
 情報化への対応については、今回の築地市場再整備の検討の中でも「加工食品など他業種、他業界、市場外流通に比べ、情報のネットワーク化への取り組みが遅れている。」と市場当局も問題点を認識し、東京都卸売市場審議会の計画部会での検討事項ともなっている。しかし、その対応に際して現在地では「情報機器の設置スペースが不足している。」との認識は、その妥当性を総合的に検証する必要がある。すなわち情報化を視野にいれた再整備の中で全体の効率化を図り、情報機器の装備を進めるべきである。

3 周辺地域を中心とする活用方策

 中央区は現在まで現在地再整備促進のために、隣接地の埋立や駐車場の整備など種々支援・協力を行ってきた。ここでは、仮設用地の確保について市場当局が検討すべきと思われる事項について検討を試みる。
1) 仮設用地いわゆるタネ地の確保の考え方
市場タネ地に対し、本調査での築地市場再整備室の見解では、「営業している人が一連の作業を行える敷地がタネ地であると考えており、築地近郊にはタネ地は無いと言える。」としている
しかし、場内になくても場外で対応可能な施設、例えば加工施設や一部の冷蔵庫等など、関係者と協議のうえ検討すべきものもあるのではないかと思われる。都心の限られた状況の中での再整備であるから、当然創意工夫や関係者の一致協力が強く求められるものと考える。
2) 仮設用地確保の具体的な検討
築地市場近郊における、以下の仮設用地について調査・検討を試みた。
1. 中央区築地川東支川埋立地
所在地:中央区築地6丁目2714番7号
面積:2,851平方メートル
現況:未利用
所有者:中央区
この用地は、築地市場現在地再整備の支援策として、かねてよりタネ地としての提供を中央区から市場当局に申し入れているものである。市場に隣接する貴重な土地であり、現在地再整備を進めるうえでは欠かせない土地といえる。
2. ニチレイ浜離宮ビル用地
所在地:中央区築地5丁目2番9号
面積:6,145平方メートル
現況:ニチレイ浜離宮ビル用地
所有者:ニチレイ
この用地は、市場に対し、1・2階部分について卸売市場としての利用を度々打診したが拒否された経緯があり、自社ビルのみ建設することに決定したとのことであった。本年度中にも建設再開を決定しており、市場タネ地に提供することはないとしている。
3. 東京都資材置場・管理事務所
所在地:中央区晴海5丁目2番
面積:13,456平方メートル
現況:資材置場、管理事務所
所有者:東京都
この用地は廃車等の分別に使用されているとしているが晴海の一等地に設定する必要性は低く、再整備タネ地の候補として検討できる。
4. 中央区豊海町(水産基地)との連携
町面積:約16ヘクタール
築地市場と豊海町の水産基地との役割分担を整理して、築地市場と連携した豊海町の再開発も一つの検討すべき方策であるといえる。この場合には、住宅を中心とした周辺環境との調和にも配慮しなければならない。
5. 晴海の国際見本市の跡地
面積:約9ヘクタール(晴海運動場と一部港湾局道路を含む)
この用地は東京都の将来計画では、国際交流ゾーンと位置づけられているが、現在のところ開発は進展しておらず、当面具体的な整備計画はまだない。東京都の将来計画と競合する面もあるとはいえ、全都的な取組みや関係者の合意が得られれば、築地市場との暫定的な役割分担や物流動線などの適切な設定により活用は検討できる。

4 これまでの整備計画案

1) 見直し計画素案と各試案、東卸修正案との比較
ここでは、築地市場現在地再整備の各案の概要を掲げた。
これらの整備案は、現市場のどの部分から着手するか、施設を平面展開とするか一部立体化を図るか、全体の工区をいくつに分割するかなどにより7案に整理されたものである。いずれも基本的には、現有規模以上の施設規模を前提としており、いわば市場の現状を前提に施設規模の充実を志向するものであるといえる。流通構造の変化やIT革命が進行するなど市場をとりまく環境は、今後大きく変化していくものと考えられる。こうした変化を十分見据えて21世紀の市場のあり方を検討し、新世紀にふさわしい将来ビジョンのもとに、現在地での再整備をどのように進めるか検討する余地はあるものと考える。
別項で検討した市場の使用実態の見直しやIT革命、高度情報通信技術社会への対応なども含めて、改めて現在地での再整備が関係者において十分議論されるべきである。東京都卸売市場審議会において、第7次東京都卸売市場整備計画の基本方針が審議されているとのことだが、現在地の重要性を踏まえ、かつ将来を見越した適切な答申が出されることが期待される。
2) 築地市場再整備に係る東卸案の再評価
ここでは、築地市場再整備推進協議会にて十分に議論されなかった部分もある東京魚市場卸協同組合(東卸)が提出した東卸案について、その調査委託先からのヒアリング内容も踏まえてその特色を再評価した。
当該案は水産物部が中心になった案であるが、整備工事については、1. 営業動線として合理的な扇状施設の原形を生かしている。2. 全体工期は14年と都案を大幅に短縮している。3. 中央区埋立地の活用により工事動線の確保が容易としている。4. 仲卸売場の工程を6工区で構成した。5. 事務部門を集中し、冷蔵庫を南北に配置するなど営業動線の円滑化に配慮されたものとなっている。また、完成後は都民に開かれた市場とするため、1. 新大橋通りから物販エリアの関連事業者棟へ一般消費者を招き入れ、さらに、2. ウォーターフロントの景観を有効に活用するため、2階にシーフードレストランを配置し隅田川辺の快適な遊歩道の散策も可能とするなど、築地の持つ交通利便性、立地条件及び文化資産を活かした、市場関係者及び利用客双方にとって利用しやすい市場とする配慮がなされている。
以上が東卸案の特色と言えるが、いくつかの課題は残されるにしろ、そのコンセプト、ビジョンは評価に値するものであり、この案を土台として十分に議論を尽くし、さらなる内容の充実を図れば現在地再整備の有力な案と言える。

5 アスベスト対策問題

 築地市場の移転整備に関しては、建物の建設年次の関係でアスベスト対策が問題となる。本調査において市場再整備を行う際におけるアスベスト対策の方策等が現在地再整備を行う上で問題はないことを以下に確認する。
1) アスベストの建築物への利用の歴史
アスベスト(石綿)とは天然産出する鉱物繊維の一種で耐久性・耐熱性・耐薬品性に優れている為、耐火被覆材として建物の鉄骨及びデッキプレートの裏部分に、また吸着材として壁・天井などに吹き付けられて使用されたほか、保温材として空調設備等にも用いられてきた。特に昭和38年ごろから昭和50年初頭までには年間20,000トン前後が使用されたが、昭和50年9月30日以降、特化則(特定化学物質等障害予防規則) によってその使用が禁止された。
2) 築地市場再整備に係わるアスベスト対策
アスベスト使用建築物としては鉄骨造、鉄筋コンクリート造は特に使用の可能性が高く、築地市場でも、アスベストが使用されている可能性が高い。しかし築地市場では外観からアスベストが使用されていると判断した箇所のアスベスト処理は行っており、吹付材の問題は現状では少ないと考えられる。現状では水産物部仲卸売場等の天井部のみにアスベスト含有のスレートが使用されているにとどまると想定される。
しかし、現在地再整備を行うに際しいくつかのブロックに分け十分な隔離を行った再整備を行う事となっており、大阪市中央卸売市場においても整備上の問題点とはなっていないこともあり、築地市場で現在地再整備を行う上での問題になるとは考えにくいと言える。

6 他市場の整備事例分析

1) 現在地再整備の理由(大阪市中央卸売市場本場)
大阪市中央卸売市場本場は、北港・南港の埋立開始地域及び現在地の用地条件、交通・情報アクセス条件、周辺環境への影響、周辺からの影響、市場条件の5項目に基づく立地条件比較を行い本場の立地適正を検討し、現在地は周辺環境への影響等に一部問題があるものの、1. 現実的にみた用地取得可能時期の遅速、2. 交通至便、情報集積という都心的性格、3. 買出人側からみた利便性、4. 市場活動のトータルコスト、の4点について移転候補地に比し優位性が大とした。
また、昭和50年に増設した果実・加工食料品売場等、既存の施設を今後も有効利用できること、さらに本場周辺に市場内業者の関連施設や市場関連の事業所が多く、加えて市場関係の居住者が多いことも現在地の大きな利点とされた。
これを築地と移転先と目される豊洲のケースに置き換えると、
1. の「現実的にみた用地取得可能時期の遅速」では、東京ガスからの用地取得の見込みも立たないうちから、東京都は移転云々を主張しており、現在地の方が優位性が高い。
2. の「交通至便、情報集積という都心的性格」や 3. の「買出人側からみた利便性」では、まさに築地の方が優位である。
4. の「市場活動のトータルコスト」については試算されていないが、既存蓄積を活用できるという点では、築地の方が優っていると言える。さらに、周辺に関連の事業所が多いとか、市場関係の居住者が多いということは、築地の現況に近いと言える。
2) 大阪市中央卸売市場現在地整備の成功事例の分析
大阪市中央卸売市場現在地整備の成功の要因としては、以下の点が挙げられる。
市場関係者全員が現在地整備賛成とし、工事開始から一度も工事を中止することはせず、問題が生じても施工を進めながら話合いの場(協議会)を持つように整備を行った。
卸売場を鮮魚、塩干、青果と3つに大きく分類しそれぞれに卸、仲卸、買出しの流れに沿った市場整備を順に行った。
交通動線を一方通行にし、交通の流れも鮮魚、塩干、青果と3つに大きく分類し、相互間の動線は通路を別に設けた。(3階にある青果には専用のスロープを設置)
関連事業者全体が仮設移動に協力し、利権関係にさほどもめなかった。
事務関係を全て事務棟に集約し、売場、駐車施設、運送・搬送施設、加工処理棟と完全に分離した整備が可能となった。
大阪市中央卸売市場と築地市場とでは種々条件が異なる面もあるとは言え、この事例からは築地市場においても市場当局はもとより、関係者が十分協力し積極的に取り組めば、現在地での再整備は可能であると考えられる。

7 中央区の築地市場再整備支援施策

 市場の再整備には仮移転用タネ地や資材置場など相当な用地を必要とする。また、築地市場周辺には買出人用の駐車場が少ないなど利用者の便が十分に図られていなかった。
 中央区はこれまで、50億円近い区費を投じ、川を埋め立てて駐車場や再開発用仮店舗を整備するなど地元区として築地市場や場外市場再整備のための支援を行ってきている。また、かねてより築地川東支川(小田原橋~海幸橋間 2,851平方メートル)の埋立地を再整備工事用地として使用するよう、東京都側へ提案している。
 今後、中央区は、市場の現在地再整備促進のために、地元区として新たな視点から有効な支援策を検討し展開していくことが課題となろう。

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