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A 現在地評価分析

更新日:2005年8月26日

1 交通利便性

 道路交通面では、両者ともほぼ同程度と言えよう。しかし、豊洲地区に関しては、放射34号線上の勝鬨橋の交通量が不明であるし、そもそも臨海部に市場を設置する計画での環境アセスは未実施である。関係者ヒアリングでも仮に豊洲となった場合は、市場利用者にとって勝鬨橋を中心とする交通混雑・時間的ロスの懸念が指摘されている。現段階では想定でなくその実態が明らかな築地の方が若干利便性が高いとも言える。駐車場問題は、市場内外の物流効率化なども含めた全体的視野の中で検討されるべきである。
 公共交通面では、都心に位置する築地の方が明らかに優位である。今回のアンケート調査では、市場から仕入れをする市場利用者の4分の1が公共交通機関を利用しており、また仮に豊洲となった場合は市場利用者の6割が新市場を全く利用しないか、利用を減らすと回答している。これは豊洲への往復には築地に比べ時間的・経済的コストが高まるとの認識からと思われ、このことからも市場利用者にとっては築地市場の方が公共交通も含め交通利便性が高いと認識していることがわかる。
 さらに平成12年12月には都営地下鉄大江戸線築地市場駅が開設し、公共交通面での利便性は一層高まるものと見込まれる。
 公共交通機関を利用している市場利用者にとっての利便性を、時間的シュミレーションを交えてさらに検討すると、いずれの経路でも20分から35分程度よけいに時間がかかることが想定され、市場利用者の時間的・経済的ロスが発生する。
 公設市場の意義から考えれば、卸売市場は生鮮食料品全体の物流の一角を担うとともに、地域の消費者への安定した食材の提供の役割が欠かせない。その意味では消費者である都民に最も近い市場利用者にとっての交通利便性は極めて重要である。

2 都心商業との関係

 築地市場は、1,200万都民の台所として重要な役割及び都外も含めた広域生鮮食料品流通の拠点である。一日に水産物が2,300トン、青果物が1,500トン、金額にしてそれぞれ21億1,900万円、4億4,000万円、出入りする車両31,646台(平成10年平均)と取扱量日本一の市場である。買出人など一日36,000人の人々が出入りし、鮮魚店やレストランなど食を中心とした活発な都心商業活動を支えている一大拠点である。築地市場を中心に食のネットワークが形成されてきたともいえる。
 都心商業のうち築地市場と直接的な関係のある業界として、東京都内にある生鮮食品取扱業者であると考えられる、飲食料品取扱卸売企業・生鮮食品取扱小売企業・生鮮食品取扱飲食企業があげられる。その多くが築地市場からの生鮮食品を利用している。東京都中央卸売市場11市場に占める築地市場の1日当たり取扱い金額の割合は、水産では9割近く、青果でも2割近くになり、水産を中心にこれら業界と築地市場が深い関係にあることがうかがわれる。
 なお、これら業界の規模をみると、飲食料品取扱卸売企業では、野菜・果実と生鮮魚介類の二つの区分で、事業所数で約3,000、従業員数で約31,000である(東京都平成8年事業所・企業統計調査報告)。生鮮食品取扱小売企業では、同様の二区分で事業所数で約8,000、従業員数で約28,000である。レストランなど生鮮食品取扱飲食企業では、事業所数で約47,000、従業員数で約373,000である。
 また本調査の中で行った「築地市場利用者アンケート調査」では、店の仕入れに占める築地市場からの仕入れの割合は平均で約7割であった。市場からは仕入れないものもあることを考慮すれば、築地市場への依存度は相当高いものと考えられる。
 築地市場は本調査「現在地評価」で述べたとおり、60有余年の歴史をかけて、食のネットワークを形成し、都心商業の活力をささえてきた。その高い交通利便性や「築地」というブランドなど歴史的に形作られてきた価値は、簡単に経済的価値に置き換えることはできないが、仮にその場所が本調査で比較対象とした豊洲移転候補地に変わるとすれば、市場から仕入れをする利用者を中心に多くの関係者に新たな負担を強いることとなると考えられる。

3 歴史的蓄積の優位性

1) 歴史的蓄積の意義
築地、豊洲の歴史的沿革の蓄積の意義を整理すれば概ね次のとおりと考えられる。
1. 市場はその本来の役割から安定した稼働が求められるが、地域に受け入れられ定着したものでなければならない。地域と一体となって発展してきた築地こそ市場の立地にふさわしい。
2. 市場の存在を前提に、道路、地下鉄など社会資本が投入され、また民間においても市場を中心に事業の選択、事務所や住居の確保、仕事の仕組みなど形成してきており、低成長経済や厳しい財政状況のもとにあって、こうした蓄積の活用を十分考えなければならない。
3. 市場を中心に、場外市場はもとより多数の飲食店、料理屋、隅田川、銀座、新橋、浜離宮あるいは築地本願寺など築地市場一帯はひとつの文化圏を形成しており、築地ブランドはもとよりこうした文化面での貴重な区民、都民の財産は一朝一夕には成熟しないものであり、その活用を図るべきである。
2) 歴史的蓄積の優位性検討
築地地区、豊洲地区の両地区を比較した場合、築地の持つ文化・伝統の優位さと豊洲の工業発展に貢献してきたエネルギー拠点とまったく異なったエリアであると言える。豊洲は今後人口流入が進みまちづくりが比較的自由に行える利点のある地区といえるが、築地は築地市場を中心としてまちが形成されて来た歴史があり、築地市場があっての築地地区であると言える。歴史的蓄積の意義から考えれば、築地における歴史的蓄積は積極的に活用していくべきであり、今後のまちづくりが大きな課題である豊洲地区は、これまでの豊洲・晴海開発整備計画に従い21世紀にふさわしいまちの形成をめざすべきであると言える。なお、現在の豊洲・晴海開発整備計画(平成9年改定)では、豊洲に市場の立地する余地はない。
一言で「築地ブランド」と言われるが、「築地ブランド」は築地エリア全体で育んできた文化であるとも言える世界のブランドである。このため、豊洲に市場が仮に移転しても市場のみの移転では、市場を補完する土壌が形成されるには相当の時間が必要であると考えられ、新たな文化創生は極めて困難であると考える。今後ますます激しい競争にさらされる卸売市場にとって、時間的な余裕はあまりないものと考えれば、既存の歴史的な蓄積を十分活用していくべきである。

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