資料室
体験記-戦時下の生活体験-
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戦時下の生活体験
家を守り、家族を守ることが私の使命だった

菊田 栄(きくた さかえ)

 「寝巻を着て眠りたい」。これが戦争当時、私が強く願い、今でも忘れることのできない思い出の1つです。
 夜毎に鳴る空襲警報のために、夏も冬も、風呂を上がった後もゲートルを巻いて床につかなければならない時代だったのですから。
 特に冬場は悲惨でした。昭和20年1月27日の大空襲のあった1月は珍しく雪が多く、雪が降ると、皆夜中に起こされて雪かきをさせられ、今の高速道路の下の川へ雪を捨てに行きました。いつ空襲があるかわからないため、とにかく逃げ場を確保しなければならなかったのです。
 当時、私は16歳で、昼間は父親の経営する建築業を手伝い、夜は夜間学校に通っていました。友人の多くは徴用や動員に引っ張られて行きましたが、何しろ私の家は兄2人、下に妹が1人の4人兄弟で、長男は出征、次男は亡くなっていたため、私までいなくなると困るという理由で、徴用も動員も免れる夜間学校の甲種に入学したのです。この甲種は技術養成のための学科で、私は建築科を選びました。私には、親や妹を連れて逃げなくてはならない、という使命感がズシリとあったからです。お陰で私は戦時下、両親を助け、妹を守ってやることができました。

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